
近年は多くの企業で人手不足の状態に陥っており、従業員の離職は企業にとって大きな課題となっています。
離職を防ぐためには「なぜ辞めるのか」を理解しなければなりません。
本記事では、従業員が離職する主な原因や、それによって企業に生じる影響について解説します。あわせて、離職を防ぐための対策も紹介しているため、経営者としてどのように向き合うべきかを考えたい方は、ぜひ参考にしてください。
従業員が離職する原因について正しく知っておかないと、それに沿った対応を摂ることも難しくなります。原因は一つだけではなく、複数の不満や不安が重なり、離職につながるケースが多く見られます。
離職を決意する主な原因として挙げられるのが、以下の8つです。
離職理由の中でも大きな割合を占めているのが、職場の人間関係によるストレスです。上司や同僚との関係がうまくいかないケースでは、給与や福利厚生に不満がなくても日々のストレスが積み重なることで退職につながるおそれがあります。
テレワークの普及により対面の機会が減った企業もありますが、その一方で意思疎通の難しさや孤立感などを理由とした退職も少なくありません。
特に若年層は人間関係の影響を受けやすく、小さなすれ違いが離職の原因となるケースもあります。
労働時間や休暇の取りやすさといった勤務条件が悪い場合、離職を招くことがあります。
たとえば、残業や休日出勤が多い、有給休暇を取りにくいといった環境では、長く働き続けることに不安を感じやすくなります。
さらに、出産や育児、介護などのライフイベントに対応できる制度が整っていない場合、「この会社で働き続けるのは難しい」と感じ、離職につながるケースも珍しくありません。
従業員のモチベーションと大きく関係しているのが、給与や賞与です。特に同業他社と比較して水準が低い場合や、個人の努力が十分に報酬に反映されない場合は、将来への不安につながります。
評価基準が不透明な場合、正当に評価していても本人に伝わっていないケースもあるでしょう。
特に、周囲の評価と自分の評価に差があると感じた場合、会社への不公平感を覚えて離職を招きやすくなります。
従業員に長く働いてもらうためには、本人が自身の成長や将来像をしっかり描ける会社であることが重要です。
たとえば、教育制度や評価の仕組みが十分に整っていない場合、「自分はこの会社では成長できない」という不安を感じてしまうことがあります。
中でも30代前後の層は今後のキャリア形成を重視しやすいタイミングです。この年代の離職が多い場合は、将来的なキャリアパスが見えないことも会社を離れる原因の一つとして考えられます。
身近に信頼できるお手本となるような上司や先輩がいない場合、従業員は自身の将来像を描きにくくなります。「このような人になりたい」と目標にできる存在がいないことは、将来的な不安にもつながります。
また、業務上の悩みやトラブルが発生した際に相談できる相手がいないと、1人で問題を抱え込みやすく、離職につながるケースも少なくありません。指導やサポートの体制が整っているか確認しておきましょう。
多くの人が入社前に企業に関して情報を収集しており「このように働きたい」「こんなことができるだろう」とイメージを膨らませています。
しかし、実際に働いてみたところ想像していた仕事と違う、自分の強みが活かせないといった状態になると、やりがいや達成感を得にくくなります。
こうした事態に陥る大きな原因は、採用時に仕事内容の認識が十分に共有されていないことです。ミスマッチが生じると、自分の理想に近い会社を求めて離職してしまう可能性があります。
適度なプレッシャーはよい刺激になりますが、過度なプレッシャーは離職を招いてしまう原因の一つです。高い目標や責任の重い業務を任せる際は、適切なサポートが必須といえるでしょう。
特に入社したばかりでまだ経験の浅い従業員に対して過度な期待をかけたり、業務負荷が過大な状態が続いたりした場合は、精神的なストレスにつながるおそれがあります。
本人も本来の力を発揮できずに苦しむ可能性もあるため、ノルマや責任を一方的に押し付けないよう注意が必要です。
なかなか会社の雰囲気になじめず、自分の居場所がないと感じた場合は、離職のきっかけとなることがあります。
これは新入社員に限った話ではありません。たとえ長年勤めてきたベテランであっても、組織体制の変更や経営陣の入れ替わりにより働き方や考え方が変わった結果、急に会社の雰囲気になじめなくなることがあります。
小さな違和感やストレスが積み重なり、最終的に離職へとつながるケースも少なくありません。

1人、2人辞めただけだからと楽観視するのはおすすめできません。従業員の離職は組織全体に以下のような影響を及ぼします。
従業員が退職した場合、その人が担っていた業務は他のメンバーに分散されることになるでしょう。その結果、1人当たりの業務量が増え、残業時間の増加や業務の質の低下を招くおそれがあります。
業務量や対応しなければならない範囲が増えたにもかかわらず待遇が変わらなければ、不満につながるのは避けられません。
モチベーションの低下により、さらなる離職を引き起こすケースもあります。
従業員の離職により、新たな人材を採用したり教育したりするための費用も発生します。
近年は人手不足の状況が続いていることもあり、求人を出したからといってすぐに優秀な人材が確保できるとは限りません。場合によっては採用活動に時間がかかるケースも十分に考えられます。
さらに、退職によってこれまでその人にかけた研修や教育の費用が無駄になってしまうのも大きな問題です。
離職が続き、採用も難航した場合はコスト面の影響が大きくなります。
優秀な人材が離職すると、企業の生産性や業務品質にまで大きな影響が出ることがあります。
専門的な経験やスキルを持つ人材が離職した場合は特に影響が出やすく、新規採用ができたとしても短期間で状態を回復させるのは簡単ではありません。
場合によっては自社で働いていた優秀な人材が競合他社へ移り、競争力の面でも問題が生じることがあります。
離職が続く企業は、社内だけではなく社外に対してもネガティブな印象を与えやすくなります。
「人がすぐ辞める会社」として認識されてしまうと求職者から敬遠されやすくなり、採用活動が困難になってしまうことも珍しくありません。
取引先や顧客から「従業員が辞めてばかりいる信用できない企業」と思われてしまえば、営業活動にも影響を及ぼすことになるでしょう。
「従業員が辞めてもまた採用すればよい」と考えるのではなく、早期の対策が重要です。
従業員の離職を防ぐためには、以下のような方法があります。
【離職対策】
各社の課題に合わせ、上記の中から効果的な方法を組み合わせて実施していくことが重要です。詳しくは以下の記事で紹介しています。こちらもぜひ役立ててみてください。
従業員の離職は人手不足を招くだけではなく、組織に対して採用・育成コストの圧迫やイメージの低下など、さまざまな影響を与える重要な課題です。離職には複数の要因が複雑に関係しているため、根本的な原因を見極めたうえで適切な対策を講じていくことが求められます。
組織全体の仕組み自体に問題があるケースも少なくありません。
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