役職やポジションの“名づけ”が社員に与える影響とは? | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2024.04.04

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役職やポジションの“名づけ”が社員に与える影響とは?

株式会社ブレインマークス

今回のテーマは「役職やポジションの“名づけ”が社員に与える影響とは?」です。

先日、弊社のYoutube動画をご覧くださった方からこんなご質問をいただきました。

「安東さんが行う“名づけ”には、どのような意図がありますか?たとえば、人事評価制度を『キャリアアップ制度』、部門を『サークル』と呼ぶなどです。そのままの名称ではなく、あえて変更している理由が気になります」

ご質問いただいたように、私は世間で広く用いられている名称をあえて使わず、自社ならではの名づけを行うことがよくあります。これは、奇をてらっているわけではありません。独自の名称によって、社内によい影響をもたらす目的があるのです。

今回は、私が“名づけ”にこだわる理由や、名づけが組織にもたらす価値について詳しくお伝えします。

■名づけにこだわる背景 ~名前が与える影響~

たとえば、「部長」や「先生」という言葉には、どことなく”高い地位”や”責任”のイメージがありませんか? また、「頼りない印象だった人が部長に昇進し、周囲からも『部長』と呼ばれるうちに、次第に『部長』らしく堂々と振る舞うようになった」など、名称が人を変えた実例に触れたことがある人も多いのではないかと思います。

「名は体を表す」という慣用句もあるように、言葉が持つイメージには、ときに人の行動をも変える力があるのですね。

しかし、言葉に対して抱くイメージには、人によって差があります。たとえば「部長」という言葉に対しても、「責任感がある」「チームワーク意識が強い」とイメージする人がいる一方で、「権力者」「周囲に命令できる立場」と捉える人もいるでしょう。

もし、“部長=周囲に命令できる権力者”と考えている人が部長になると……ともすれば、尊大な振る舞いで社内にネガティブな影響を及ぼすかも知れません。言葉に抱くイメージによっては、トラブルも起こり得るということですね。

上記のような場合には、会社が求める「部長」像を説明して解決を図ることもできます。しかし、「部長」のように世間に広く使われている名称は、それだけ個々人が抱くイメージの差も大きいため、すり合わせが困難なことも。

そんなときに選べるもうひとつの解決策が、「名称を一新して、既存の認識を取り払う」方法です。

■経営者の意図を名前に表す

独自の名称を使うと、認識のばらつきによるトラブルを予防しつつ、経営者の意図を社内に分かりやすく伝えることができます。

たとえば、ブレインマークスでは”部門”を「サークル」、”部長”を「サークルリーダー」と呼んでいます。この名づけには、縦割りの意識をなくし、皆でチームを大切にして欲しいという意図があります。

また、弊社では経営ツールの名づけも工夫しています。たとえば、人事評価制度→「キャリアアップ制度」、組織図→「リーダーマップ」といった具合です。

前者には「人をジャッジするためではなく、社員それぞれの成長を支援するための制度であること」、後者には「社内の上下関係ではなく、一人ひとりの役割を見える化したツールであること」を伝える意図を込めました。

こうした自社ならではの名づけには、会社の個性や企業文化を明確にする効果もあります。そして、会社独自の共通言語を使うことは、社員の仲間意識を高めることにも繋がるでしょう。

■名前を変えると、意識も変わる

最後に、弊社で実際に起きた「名づけで意識が変わった」エピソードをご紹介します。

ブレインマークスでは、お客様の目指す未来について共に考える役割の社員と、やりとりを文書化したり、経営ツールを作ったりする役割の社員の二名一組でお客様をサポートしています。はじめは、前者をコンサルタント、後者をアシスタントと呼んでいました。

しかし、その頃の弊社には課題がありました。コンサルタントがアシスタントを雑用係のように扱う、アシスタントがお客様への思い入れを持たず、仕事にも情熱を持てないといった問題が起こりがちだったのです。

そこで私は、アシスタントの名称を「クライアントパートナー」に変えました。コンサルタントの助手ではなく、「お客様のパートナー」として活躍してほしい意図を込めたのです。

すると、誇りや責任感を持って生き生きと仕事に臨むメンバーが増え、状況が大きく好転しました。さらに、コンサルタントがクライアントパートナーを助手扱いすることもなくなり、社内の人間関係も改善されたのです。

名づけは、ときに組織も変える。それを実感した出来事でした。

■本日の結論

ツールや役職の名前を変えることは、小さな取り組みに思えるかも知れません。しかし、毎日のように触れる「名前」が持つ影響力は、案外大きなものなのです。

ぜひ、あなたの会社ならではの想いや文化を反映した、独自の名称を使ってみてください。きっと皆さんの予想以上に、会社にとってよい効果が生まれるのではないかと思います。

 

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