
人員が限られている中小企業は、属人化が発生しやすい傾向があります。「担当者が休むと業務が回らない」などと悩んでいる経営者は多いでしょう。属人化を放置すると、業務が停滞したり、従業員のモチベーションが低下したりすることがあります。解決するべき課題と認識して、対策を講じることが重要です。
本記事では、属人化が発生する原因と属人化を解消する流れ、取り組む際のポイントを解説します。お困りの方は参考にしてください。
中小企業は、業務の属人化が起こりやすい傾向があります。主な原因は次の通りです。
中小企業では、人員不足がマニュアルの整備や情報共有の遅れを引き起こす要のひとつとなっています。属人化によりさまざまなデメリットが生じるため、解消に向けた取り組みを進めることが重要です。
属人化を放置すると、業務が停滞したり、従業員のモチベーションが低下したりすることがあります。ここでは、属人化の解消が重要な理由を解説します。
属人化は、担当者しか業務の進め方や進捗状況を理解していない状態です。他の従業員では対応できないため、担当者が休職あるいは退職すると、業務が停滞してしまいます。具体例として、一人の営業担当者が頭の中で顧客情報を管理している状態が挙げられます。
当該従業員が、引き継ぎをせず退職すると、顧客対応を行えなくなるでしょう。従業員ごとの業務範囲が広い中小企業は、属人化の影響が大きくなります。トラブルを避けるため、属人化を解消しておくことが大切です。
属人化は、従業員のモチベーションを引き下げる要因にもなり得ます。特定の従業員に業務や権限が集中するためです。業務に関われない従業員のモチベーションが低下してしまいます。
また、特定の従業員も業務が集中することで、過度な負荷がかかる恐れがあります。業務の集中により、ワーク・ライフ・バランスを崩しやすくなり、離職の原因になることもあります。
属人化を放置すると、他の従業員が経験を積む機会を得にくくなるうえ、人材も定着しにくくなります。したがって、解消に向けた対策が必要です。
属人化は、組織へのノウハウの蓄積を妨げます。担当者が得た知見を共有する仕組みがないためです。担当者の離職により、ノウハウが失われる点にも注意が必要です。標準化を進めておけば、このようなトラブルを防げます。したがって、属人化の解消が求められます。

業務フローの可視化から始まる5つのステップを実行すると、属人化を解消しやすくなります。ここでは、属人化を解消する基本的な流れを紹介します。
属人化を解消するため、まずは業務フローを可視化します。属人化しているプロセスを明らかにしないと、効果的な対策を講じられないためです。具体的には、以下の流れで可視化します。
関係者にヒアリングやアンケートを実施し、担当者しか把握していない作業を洗い出すことが重要です。問題を引き起こしているプロセスは、廃止や削減、効率化などを検討します。
可視化した業務フローをもとに、マニュアルを作成します。マニュアルを見れば、誰でも一定水準の業務を行えるようにするためです。具体的には、属人化している業務の手順や注意点などを記載します。必要に応じて、図や表、動画などを活用し理解を促すことが重要です。マニュアルを作成する時間を確保できない場合は、重要な業務から、リスト形式の手順書を作成するだけでも構いません。
マニュアルの整備と並行して、業務の仕組み化に役立つツールやシステムの導入を検討します。具体例として、従業員のノウハウを集約し共有するナレッジマネジメントシステムが挙げられます。蓄積したノウハウを一元管理して、全従業員で共有できるため、属人化の解消に役立つでしょう。ただし、重要な情報を扱うため、ツールやシステムを導入する場合はセキュリティに注意が必要です。
次に、業務の引き継ぎを仕組み化します。マニュアルやツール・システムを導入しても、異動や退職にともなう引き継ぎを行わないと、業務が属人化しやすくなるためです。引き継ぎを徹底するために意識したいポイントは次の通りです。
担当者の負担が大きい場合は、引き継ぎ前に業務を整理し、一部の業務を他の従業員に割り振ったり、外部の事業者へ委託したりするとよいでしょう。
以下の点を意識すると、属人化を解消しやすくなります。
ここでは、各ポイントについて解説します。
組織全体で、属人化を解消するべき課題と認識することが大切です。経営陣や管理職と現場の認識がずれていると、効果的な対策を講じられません。たとえば、現場に問題意識がないと、新たな負荷がかかる業務の標準化に反発する恐れがあります。
あるいは、経営陣に問題意識がないと、コストがかかるツールやシステムなどの対策を導入しにくくなります。効果的な対策を講じるため、組織全体で意思統一を図りましょう。
情報共有を仕組み化すると、属人化の予防や解消につながります。各従業員が取り組んでいる業務の内容や進捗をチームで共有できるためです。情報共有の方法として、以下のものが挙げられます。
ツール・システムを活用すると、リアルタイムで情報を共有できます。
属人化の解消は、原則としてノンコア業務から取り組みます。一般的に、ノンコア業務のほうが標準化しやすいためです。両業務には次の特徴があります。
| 業務の分類 | 特徴 |
|---|---|
| コア業務 | 売上などに関連する業務。 専門性や経験を求められることが多い |
| ノンコア業務 | コア業務をサポートする業務。 定型的な業務が多い |
ノンコア業務からスタートし、ノウハウを蓄積しながら対象を拡大すると、組織全体の属人化をスムーズに解消できます。
人員不足などの課題を抱える中小企業は、業務が属人化しやすい傾向があります。属人化は、業務の停滞やモチベーションの低下を招きます。業務フローを可視化して、マニュアルを整備するなどの対策を講じることが重要です。組織全体で課題や情報を共有すると、属人化を予防、解消しやすくなります。
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