
人材育成を行うことで従業員一人ひとりの力を引き出し、パフォーマンスを高めることが可能です。しかし実際には、人材育成の進め方がわからなかったり、実施しているものの思うような効果につながらなかったりして悩む経営者の方も多くいます。
成功のためには、大切なポイントを押さえることが欠かせません。
本記事では、人材育成の基本的な考え方や実践するうえで押さえておきたい大切なこと、代表的な育成方法などを紹介します。
人材育成は、従業員それぞれが持つ能力を引き出し、企業に貢献できる人材に育てるために行う取り組みのことです。
目的はいくつかあります。
まず、経営目標の達成のためです。企業の目標達成を力強く支えられる人材に育て上げる目的があります。
次に、生産性向上のためにも人材育成は欠かせません。育成により効率よく業務を進められるようになると、生産性が向上しやすくなります。組織力を強化するうえでも重要だといえるでしょう。
人材育成によりチームがまとまりやすくなり、結果として成果向上につながることも期待できます。
近年はテクノロジーの進化などにより優れた製品やサービスが増え、差がつきにくくなりました。
企業の競争力は「人」に大きく左右される状況のため、既存の従業員をいかに育てるかが経営の大きな課題の一つです。
人材育成につながるとされる施策を手当たり次第に取り入れるのではなく、重要なポイントを押さえて進めることが重要です。ここでは、人材育成を進める前に確認しておきたい大切なことを紹介します。
人材育成の目的は従業員の成長やスキルの習得ですが、より具体的な目標設定をしておくことが欠かせません。単純に「仕事ができる人材に育てる」ではなく、いつまでに何ができるようになるのか、詳細な目標を設定しましょう。
その際、「2か月以内に新規顧客を3件獲得する」のように、数字を用いて達成基準を明確に判断しやすい目標にすることも重要です。最終的に達成したい成果に加え、日々の行動目標も設定しておくと取り組みやすくなります。
人材育成でよくある失敗が、指導者の指示・管理のみに頼り、従業員が自ら考えて行動できなくなるケースです。指示されたことだけを行う受け身の状態では、即戦力として活躍する人材にはなりにくいといえます。
そこで人材育成では、自主性を引き出せるように関わっていくことが大切です。
たとえば、本人が課題に直面した際にすぐにサポートしてしまうと、本人が課題解決と向き合う機会が減ってしまいます。個人の考え方や行動を尊重する形でフォローしましょう。
人材育成は、一度研修を行えばそれで終わりというわけではありません。継続して進めていくことが重要です。
その中で、スキルの見える化とスケジュール管理に力を入れましょう。
スキルの見える化では、業務ごとに求められる能力を整理したうえで、本人がどのレベルに到達しているか把握できる形にしておきます。個人の課題や指導すべき内容がわかりやすくなります。
また、目標達成までの期限を設定し、スケジュールに沿って管理することで、計画の遅れや方向性のズレを早期に見つけることが可能です。
人材育成の成果は、育成を行う担当者のスキルにも大きく影響される大切なことといえます。担当者に求められる育成スキルはいくつかあります。
まず、目標達成に導くためのマネジメント力が必要です。
ほかにも、わかりやすく伝えるためのコミュニケーション能力、相手の話を丁寧に聞く姿勢も重要です。
これらのスキルを身に付けられるように、育成担当者をサポートしていくための取り組みを同時に進めることも大切だといえます。
人材育成を継続的に行っていくためには、制度と環境の両面から支える体制を整えておくことが重要です。特に限られた人が属人的に指導を行う場合、指導担当者の負担が大きくなるだけではなく、教え方に偏りが生じることがあります。
企業全体で人材育成を進めるためには、OJTや研修、ジョブローテーションなどの仕組みを明確にし、誰が担当しても一定水準で育成が行える状態にすることが重要です。
指導すべき内容は従業員の階層によって異なります。
たとえば、新入社員には基本的なビジネスマナーや、業務に必要となる知識を優先して身に付けさせましょう。
一方、中堅社員には、チームを支える存在としての自覚を持たせられる機会を設けることが重要です。後輩の指導やマネジメントの基礎を学ばせます。
管理職には、経営視点で物事を考える力や、組織全体を動かすスキルが必要です。
階層ごとに異なる目的を理解したうえで取り組むことで、効果を高めやすくなります。
育成を進めるうえで非常に重要なのが、評価の仕組みに関することです。評価基準が曖昧だと、努力すべき点や方向性がわからず、モチベーション低下を招くことがあります。
事前に評価基準をわかりやすく示しておきましょう。
その際、売上などの結果だけを重視するのではなく、個人の行動量や取り組み姿勢なども評価に含めておくと「毎日の頑張りを見てもらえている」と感じやすくなり、モチベーション向上が期待できます。
人材育成に役立つフレームワークを活用していきましょう。以下のようなものがあります。
【フレームワークの一例】
自社の目的や課題に応じて使い分けていくことが大切です。

人材育成の方法はさまざまですが、多くの企業で取り入れられているのが、OJT、Off-JT、自己啓発の3つです。それぞれの特徴や大切なことを解説します。
OJTとは、実際の業務を進める中で必要な知識やスキルを身に付けていく育成方法のことをいいます。仕事をしながら学べるため、教わる側も体験を通じて理解を深めやすい点が特徴です。
わからないことが発生した場合も、その場で解決しやすいメリットがあります。
一方、忙しい職場では十分な教育時間を確保しにくいことや、指導者の負担が大きくなりやすい点はデメリットです。
Off-JTは、日常業務とは離れた環境で行う教育のことをいいます。代表的なのは、集合研修や外部セミナー、eラーニングなどです。
専門的なスキルは日常業務の中では学びにくいケースがありますが、Off-JTでは計画的に習得できるメリットがあります。
ただし、研修内容の設計や運営には手間やコストがかかる点は理解しておくことが求められます。実際の業務での活かし方も含めて検討しないと、学んで終わりという状況になりかねないため注意が必要です。
自己啓発とは、従業員が自らの意思で学習し、スキルや知識の向上を図る取り組みです。企業側ができるサポートとしては、学習費用の補助や制度面での支援が挙げられます。
ただ、取り組み方は本人の意欲に左右されるため、必ずしも成果につながるとは限りません。制度を整えるだけではなく、学びやすい環境づくりも必要になります。
人材育成は、企業の成長を支えるうえで非常に大切なことです。単なる教育・指導にとどまらず、組織全体の生産性や価値を高めるうえでも重要な役割を担います。
実践する際は、組織全体で教育体制を整えたうえで取り組んでいきましょう。
ブレインマークスでは、現場で実践してきたマネジメント手法をもとに、継続的な人材育成を支援しています。中小企業の経営者をサポートするため役立つサービスを提供しているので、人材育成にお悩みの企業様はぜひお問い合わせください。