今回のテーマは「成果を生み出す目標の立て方」です。
先日、弊社の動画をご視聴いただいた方からこんなご相談をいただきました。
「いつも動画に共感しています。ただ、人事評価制度の重要性や必要性については共感できないことがあります。というのも、弊社スタッフは評価制度以前に『目標』を立てられないんです。何とか目標を立てたとしても、ズレていたり曖昧だったりして評価もできません。こうした状況に、安東さんならどうアドバイスされますか」
評価しようにも、そもそも的を射た目標が出てこない…もどかしいですよね。ただ、目標設定は案外難しく、技術がいるものです。弊社もしっかり目標を立てられるようになるには時間がかかりましたし、似た悩みを抱えるクライアントも少なくありません。
そこで今回は、目標設定に対する経営者の心構えや、成果につながる目標を立てるためのポイントをご紹介します。
先述の通り、目標設定には技術を要します。最初はズレた目標が出るのが当然で、3年・5年と練習を積むことで次第に正しい目標設定ができるようになっていく…経営者の皆さんには、ぜひこのようなイメージをもっていただければと思います。
「そんな余裕はない」と感じる方も多いかもしれません。しかし、社員が「ただがむしゃらに頑張る」状態と、「会社の目標を自分の目標に落とし込み、達成に向けて努力していく」状態では、組織の実行力に大きな差が生まれます。
組織も人も、成長にはPDCAが不可欠。そして、目標がなければPDCAは回せません。だからこそ、時間と手間を投資して目標設定の技術を教育する価値があるのです。
続いて、目標設定スキルを習得するための具体的なステップを解説します。
STEP1:なりたい自分を言語化する
STEP2:「会社の目標」「なりたい自分」につながる目標を立てる
STEP3:目標の適切さをチェックする
STEP4:達成基準を決める
まず「いつまでに、こうなりたい」という理想の自分像を言語化します。期間は1年後でも3ヶ月後でも構いませんが、弊社では「半年後になりたい自分」としています。
このとき「なりたい自分がわからない」人が出てくることも少なくありません。単に仕事への情熱が薄い場合もありますが、案外多いのは「他人軸(他者からどう思われるか、何を求められるか)を基準に行動してきたため、自分の理想を描けない」ケースです。
その場合は、「周囲からなんて言われたい?」と問いかけるとイメージが湧きやすくなることがあります。それでも難しい場合は「半年後にこうなっていたら格好いいね」と目安を示すのも手。ただし、他人軸は自己効力感や主体性の喪失にもつながりかねない要素ですから、あくまで短期的な補助にとどめるのが望ましいでしょう。
次に、会社のビジョンとなりたい自分、両方の実現につながる目標を立てます。
例えば、会社のビジョンが「課題解決力で選ばれる会社になる」なりたい自分が「社内で頼られる存在になる」個人目標が「資格を2つ取得する」の場合、取る資格の内容によっては自己満足で終わってしまう懸念があります。つまり、個人目標が会社のビジョンにつながっていないのです。
一方、同じ条件で個人目標が「成約率10%アップ」なら、ビジョンとなりたい自分の両方に結びついているといえます。
目標が明確になったら、「生産性が向上するか」「ストレッチ目標になっているか」の2つの視点に基づいて適切さを確認します。初めのうちは、上長が伴走してチェックするとよいでしょう。
・生産性が向上するか
目標達成により「同じ時間でより高い価値を出せるか」または「同じ価値をより短時間で出せるか」を確認します。
・ストレッチ目標になっているか
「現状から背伸びをすれば手が届く水準か」を確認します。目標は、低すぎても高すぎても意味がないということですね。
目標には、数字で判断しやすい「数値目標」と、数字では測りにくい「状態目標」があります。それぞれの特徴を踏まえ、達成基準を定義しましょう。
・数値目標の例…成約率○%上昇、制作時間を○%短縮 など
・状態目標の例…マニュアルが完成している、電話の一次対応を完遂できる など
「数値」と「状態」両方を組み合わせると、達成度合いを明確に評価できます。
社員が自らの目標を描き、会社の目標と重ね合わせることができれば、組織の実行力は格段に高まります。
ぜひ、まずは経営者ご自身がステップに沿って目標を立ててみてください。その方法を社員の皆さんにも共有していくことが、成果を生み続ける会社へ向かう近道になります。