
今回のテーマは、「創造的なチームのつくり方」です。
先日、クライアントの方から「20名程度の小さな会社を経営しています。これから成長していくために、もっと活発にアイデアを出したり、たくさん挑戦したりする文化をつくりたいと思っています。現状の文化は、保守的な傾向が強いです。何かにチャレンジするというよりも、ミスをしないことに重点を置いているように思います。この状態から、創造性の高いチームに変革するためのアドバイスをください」というご相談をいただきました。
社長として「こういうチームにしたい」と思い描く姿と、実際の現場にギャップを感じている方は、多いのではないでしょうか。私たちは、様々な会社を支援しているからこそ、そのギャップの理由や乗り越え方について、お伝えできることがあると思っています。
ただし、業種や業態によって、文化のつくり方は本当に様々です。「ミスをしないように頑張ろう」とする姿勢が悪いわけでは決してありません。そこで今回は、自分たちの会社に合った文化のつくり方について、お伝えしていきます。
相談していただいた方の会社が、なぜ保守的な文化になってしまっているのかを考えてみました。
たとえば、そうせざるを得ない環境があるのかもしれません。あるいは、社長自身がミスに対して厳しいのかもしれません。また、医師や、JR・航空会社などのインフラ業界のように、ミスが人の命や生活に大きな影響を与える職種である可能性もあります。こうした仕事では、創造性よりも、ミスを防ぐ文化を大切にする方が価値があるといえるでしょう。
仕事の内容によって、つくるべき文化は変わります。ご相談いただいた方も、ご自身の会社にはどのような文化が合っているのか、改めて考えてみてはいかがでしょうか。
それでもなお、「やっぱり創造性が欲しいけれど、保守的になってしまっている」と感じる場合は、そうならざるを得ない環境があり、社内には“ミスをしないこと”を大切にする人が多数を占めているのかもしれません。
文化は、会社の性格のようなもの。その性格は多数決で決まります。明るい人が多ければ明るい会社になるし、慎重な人が多ければ、慎重な文化になります。つまり、会社の大半を占めている人が「仕事をどう捉えているか」が、そのまま文化になるのです。
そう考えると、ご相談いただいた方の会社では、「挑戦するよりも、失敗しないこと」を優先する価値観が主流になっているのかもしれません。
こういった状況を変えるためには、「うちの会社はチャレンジしていく会社にしたいんだ」と、経営者自身が明確に表明する必要があります。あわせて、「なぜそうする必要があるのか」「それによって会社がどう良くなるのか」も伝えることで、社員の納得感が生まれます。また同時に、保守的にならざるを得ない要因があるなら、それを取り除く努力も欠かせません。
ブレインマークスが「チャレンジする文化」を目指しているのは、PDCAを早く回すためです。その実現には、不確かなことに対しても前向きに行動し、良いと思ったことはどんどん実行していく姿勢が求められます。
ただし、全員がチャレンジ志向である必要はありません。実際、ブレインマークスにも、挑戦が得意な人もいれば、慎重な人もいます。どちらもいて良く、大切なのは「挑戦する人が一定数いること」。その存在が、組織全体の雰囲気をつくり出します。
正直に言えば、慎重な会社でもミスが少なく、PDCAがきちんと回っているなら、それはそれで理想的です。チャレンジしないことが悪いのではなく、自社に合った文化を設計し、改善が継続できているかどうかが重要なのです。
弊社は、コンサルティング会社でありながら、ベンチャー企業としての挑戦も大切にしています。他社がやっていないことに敢えて取り組む姿勢を貫いてきました。たとえば、10年前からオンラインでのコンサルティングやセミナーを始めました。当時は「会社まで来てほしい」「タブレットを送ってほしい」といった声も多く、スムーズには進みませんでした。それでも新しいことにチャレンジし続けたことで、コロナ禍でも大きな影響を受けずに事業を継続できたのです。
私たちは、規模も知名度も大手コンサル会社には及びません。だからこそ、成果で信頼を得る必要があります。他社と同じことをしていては届かないからこそ、違うことに挑戦し、試行錯誤を重ねて改善を積み上げてきました。
文化は、会社ごとに目指すべき形が異なります。まず「どんな文化をつくりたいのか」を明確にし、それがなぜ必要なのか、会社や社員にどう影響するのかを言葉にしてみてください。そして、その実現に向けてPDCAを回すことで、文化は少しずつ変わっていきます。
ミスをしないことは、とても大切です。そのうえで、視点を少しだけ変えてみてはいかがでしょうか。「どうやったらミスをしないか」ではなく、「どうすればお客様にもっと喜んでもらえるか」「どのように価値を高められるか」と問い直すことで、日々の仕事の意味合いが変わってくるはずです。言葉を変えることが、会社を変える起点になります。ぜひ取り入れてみてくださいね。