会議で大声で怒鳴る社員をどうする? | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2024.05.02

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会議で大声で怒鳴る社員をどうする?

株式会社ブレインマークス

今回のテーマは「会議で大声で怒鳴る社員をどうする?」です。

先日、ある経営者の方から「怒鳴る社員」についてご相談をいただきました。経営者が知らない間に、「会議の場で、リーダーがパワハラ紛いの大声で怒鳴る」というトラブルが起きていたそうなのです。

「怒鳴った社員は反省していますし、怒鳴られたほうの社員も気にしていないようなのですが、会議に居合わせた別の社員から退職願が出ています。これに限らず、社内では離職やトラブルが後を絶ちません。私としては、人が幸せになる会社を目指し、社員とのコミュニケーションにも努めているつもりなのですが……安東さんは、何が問題だと思いますか」

こうしたトラブルが発覚したとき、私たち経営者は「怒鳴った理由」や「反省の有無」といった、当事者個人の要素に目を向けたくなりますよね。しかし、問題を根本的に解決するには、トラブルの原因は組織そのものにあると考え、企業の風土を改善していく必要があるのです。

今回は、パワハラめいた行為に経営者がどう向き合い、組織をどのように変えていけばよいかについて考えていきます。

■パワハラは百害あって一利なし

パワハラ行為を「当人同士の問題」で片づけず、会社の問題として向き合う必要がある理由。それは、怒鳴る・威嚇するといった行為が、組織全体に大きな悪影響を及ぼすからです。

では、パワハラは組織にどのようなダメージをもたらすのでしょうか。その具体例として、“ビジネスにおける礼節”について研究した書籍『Think CIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』(クリスティーン・ポラス著)から、パワハラなどの無礼な行為が会社に与える5つのリスクをご紹介します。

・同僚の健康を害する

・会社に損害をもたらす

・周りの思考能力を下げる

・周りの認知能力を下げる

・周りを攻撃的にする

まず、無礼な人は、周りの人が癌や呼吸器疾患などに罹るリスクに加え、死亡リスクまでも増加させることが分かっています。また、無礼な態度を見聞きした人は思考能力や認知能力を阻害され、生産性が下がるため、それに伴って会社の利益も減少します。

さらに、侮辱や否定を浴びせられた人は自らも攻撃的になる傾向が高まるため、社内の雰囲気がますます悪化していく負のループが発生します。そして、こうしたリスクの多くは、無礼な行為をはたらいた理由や回数に関わらず生じるのです。

パワハラ行為によって周囲の思考力が低下し、攻撃的になる人が増えれば、それだけ社内トラブルのリスクも上がっていくでしょう。社内で問題が多発しているというご相談者の方の会社も、まさにこの状況に陥っているのかも知れません。

■退職届は、企業風土への“NO”

パワハラ行為が発覚したとき、“怒鳴った当事者を注意する、謝罪させる”といった場当たり的な対処を施しても、問題の根本的な解決には繋がりません。パワハラが発生し得る組織風土そのものを変えない限り、周囲は常に「いつまた同じトラブルが起きるか分からない」という恐怖や緊張を強いられることになるからです。

今回のご相談では、怒鳴られた当人ではなく、別の社員から退職願が出されたとのことでした。恐らくはその社員の方も「きっとまた同じことが起きる」と考え、それに耐えかねて会社を去ろうとしているのではないでしょうか。

つまり、怒鳴ったリーダーに対してではなく、「パワハラの発生を許した組織そのもの」にNOが示されたということですね。

では、組織の風土をどのように改善していけばよいのでしょうか。一概には言えませんが、まずは「無礼な行いがどれほど組織を壊すのか」「そもそも、自分はどのような組織を作りたいのか」をしっかりと把握したうえで、現状を解決するために必要な取り組みを考えてみてください。

たとえば、怒鳴った社員と向き合い、怒鳴ってはいけない理由をじっくりと話し合うこと。たとえば、倫理や道徳についての教育を取り入れること。場合によっては、企業の理念や行動指針を見直す必要も出てくるかも知れません。

こうした取り組みには、多くの時間と労力が求められるでしょう。それでも、礼節を重んじるための取り組みは、会社の将来に大きな益をもたらしてくれるはずです。

■本日の結論

努めて明るい感情を保ち、不機嫌さをあらわにしない。相手の個性や人間性を認め、立場の上下に関わらず敬意を持って接する……こうした礼節ある振る舞いは、ただ社内の雰囲気を良くするだけでなく、生産性や業績までも高めることが分かっています。

ぜひ、改めて組織の在り方を見つめ直すとともに、経営者としてパワハラに明確な「NO」を示せる強さを持ってみてください。

きっと、社員が生き生きと活躍し、会社の成長が加速するような、明るい未来が待っているはずですよ。

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