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2021.03.12
オーナーズトラップから抜け出す方法

株式会社ブレインマークス

 

 

 

今回のテーマは「オーナーズトラップから抜け出す方法」についてです。

 

30人以下の中小企業の方が知らず知らずに陥る罠のことをオーナーズトラップといいます。オーナーズトラップに陥るとどういう状況が起こるかというと

 

・会社がまとまらない

・社長ばかりが頑張っていて、社員は他人事になっている

・社員がどんどん辞めていき、事業拡大したいのにも関わらず成長できない

 

このようになかなか組織が動かないというような状態になっていきます。今回は、こういったオーナーズトラップから抜け出す方法をお教えします。

 

 

■オーナーズトラップは中小企業の経営者がかかる病

 

 

このオーナーズトラップは、多くの中小企業が陥っている病であり、会社の成長段階で起こります。会社の規模が段々大きくなっていき、社員が15人、20人と増えてくると、社長の目が届かないメンバーが増え、社長の頑張りだけではどうにもできなくなります。

 

あれをしてない、これをしてないと言っているうちに、社長は社員との距離ができてしまうことによって、社員が辞めていき、社長は孤独になります

 

日本では、年間で倒産、廃業の件数が4万件以上あり、そのうちの3万件以上が実は倒産ではなくは廃業となっています。

 

今回のコロナの問題での廃業とは、また別の問題として、オーナーズトラップに陥り、後継者がいないことや、これ以上、事業がうまくいかないなど、そういった問題で、気力と体力の衰え、廃業している社長が日本に毎年3万件以上に上っているのが現状です。

 

私たち、中小企業の社長は、将来そういったことになりかねないという未来を見据えながら、どうすればそうならずに、永続的に事業が進んでいくかを考えなければいけません。

 

多くの中小企業の社長は、ビジョンをもって、こういう会社をつくりたいと未来に向かって頑張っています。

 

しかし、100人、500人の会社をつくる夢をもちながらも、いつの間にか、5人の会社を20年運営しているケースが非常に多いです。

 

 

■オーナーズトラップから抜け出すための「3つの人格と仕事」

 

まず、第一の視点として、中小企業の経営者は、非常に難しい仕事をしていることを理解しておかなければいけません。中小企業の社長の仕事は、「リーダー業、マネージャー業、職人業」と大きく分けて3つあります。この3つの見る目線の全く違う仕事をたった1人でこなさなければならないという困難さがあります。

 

1つ目が会社のリーダーの仕事。

これは会社の5年後10年後を見据えながら、会社の未来をつくっていくという長期視点の目線の仕事です。

 

2つ目がマネージャーの仕事。

マネージャーの仕事は、例えば年間の計画を練ってその計画を実現していく、長期、短期といった計画を実行していくというマネージャーの仕事、マネジメント業務です。

 

3つ目が職人の仕事。

この職人の仕事自体は、私たち中小企業は2人、3人で事業を始めるため、現場の仕事も色濃く残っており、現場で働くのが当たり前です。

 

この3つの仕事をたった1日の中で、出たり入ったりしなければならないのです。

 

5年、10年を考えるリーダーの仕事と1年、3年を考えるマネージャーの仕事、明日を考える職人の仕事という、考え方が異なる仕事を1人の人間がやっていると、当たり前にバランスが崩れていくのです。

 

私も、社員がトラブっていて、「安東さん助けてください」というお客様に対するSOSや、「これやれてないです」といった社員からのSOSに対応していくうちに、リーダーの仕事がすっぽり抜け落ちたこともありました。

 

なぜなら、重要なリーダーの仕事には、緊急性がないからです。今日やらなくても未来はやってくるから。大企業の社長は、リーダーの仕事だけです。部長、本部長がマネージャーの仕事、係長、課長が職人とマネージャーの仕事を兼務するプレイングマネージャーをやっているわけです。

 

それぞれ自分のもっている目線での「長い、短い」を調整しながら仕事をしているので、業務がうまくいく。それに対して、私たち中小企業の経営者は、この3つの目線を使い分けていく技術を身につけなければなりません。

 

 

■会社を成長させる!システム化の必要性

 

そこで必要になるのが、会社をシステムとして見ていく視点です。

 

例えば、皆さんの会社で、人が育たないというふうに悩んでらっしゃるとするならば、それは人が育つシステムがないのです。新規のお客様がボロボロ落ちていく、サービスが継続しないリピートしてくれないとなっていたら、お客様を満足させるシステムがないか、壊れている。

 

どうすれば、自分が現場に出なくても社員がお客様を満足させる仕組みをつくれるのか、新規の顧客を獲得してくる仕組みをつくれるのか、どうすれば自分が社員を教えなくても社員が成長する仕組みをつくるのか。

 

皆さんが従業員だった頃、どうやって収入を得ていましたか?

一生懸命働いて、残業する、副業する、労働することによって収入を得ていたはずです。

ですが、1人で会社を始めたら、専門性を高めた技能も提供しながら、労働の対価と技能の高める、この両方のバランスを整えながら収入を得ます。

 

仕組みをつくることによって、私たち経営者は収入が得られるわけです。皆さんが経営者として事業を拡大し、収入を得るためにやらなければならないってことは仕組みづくりです。

 

私たちが、経営者になった時、まずは仕組みづくりに投資し、仕組みが出来上がったら、次はその仕組みを運営する人を育てます。

教育や人の採用に投資し、そのシステムを動かせるようになると、PDCAを回せるようになり、社長が不在でも成長する会社が出来上がるわけです。

 

私たちは、事業承継を行ないながら、資金と仕組みを提供するプロセスを経るから、M&Aでも高く売れ、後継者がさらに会社を発展させることができる。

 

このようなイメージをもっていないと、先ほど、ご紹介したように自分の限界を感じて廃業、休業するという会社になってしまいます。

 

こういうことを理解いただければ、システムをつくることと、自分の個人能力に依存せず、自分がいなくても会社が成長する仕組みをつくることの重要性がわかると思います。

 

 

■「人材思考」と「システム思考」の決定的な違い

 

多くの中小企業の社長は、人材志向です。私自身もそういった考えがないわけではありません。あいつは頑張っているからいいコンサルタントだ、あいつは頑張っていないから結果が出ない、といったようにうまくいくことも、うまくいかないことも人のせいにしてしまいがちです。

 

“人材思考”では、このように、会社の経営がどうしても他責になるわけです。

 

しかし、お客様が喜ぶためサービスができるシステムはあるのか、人材システムはあるのか、といったように“システム思考”にすることで、あの営業マンが悪いのだ、という他責ではなく、自責で経営ができるようになります。

 

私たちの会社にも、そういったシステムが7つあります。

 

・リーダーシップシステム

・マネジメントシステム

・お客様に対する価値提供のシステム

・マーケティングの人を育てる人材開発のシステム

・人事評価のシステム

・採用システム

・財務システム

 

こういったシステムを中小企業に導入しながら、社長が不在でも成長する会社を支援するとことサービスを行なってるわけです。

 

他責にしている限り、会社は同じ場所に止まったままになります。

私たちはマネジメント業務、リーダーの業務も使いながら、こういうのが理想だというシステムをつくり続けることが経営者の仕事だというふうに覚悟を決めてください。

 

今までは、技能と専門性と自分の労働で稼いでいたものを、仕組みの提供によって、事業の売上を上げる、収益を得るという形に、“システム思考”に変えていきましょう。

 

 

◾️今日の結論

 

自分の会社には、どんなシステムがあってどんなシステムがないのかと考えながら、毎年1つずつそのシステムをつくり上げていくことが会社の成長につながります。

 

皆さんはオーナーズトラップから抜け出すためには、自分の会社のシステムに投資をして、システムをつくり上げることによって事業を拡大していく。

 

経営者はこうやって、出世魚のように事業の成長を共に、考え方を変えていかなければなりません。

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