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2026/03/12

チームの品質が下がる時、何が起きているのか

チームの品質を高める仕組みづくり

今回のテーマは「チームの品質が下がる時、何が起きているのか」です。

先日、食品通販会社を経営されている方からこんなご相談をいただきました。

「弊社は、お客様に真剣に向き合い、品質を追求する姿勢でここまでやってきました。有難いことに、新規顧客およびリピーターも順調に増やせています。しかし最近、対応へのクレームや定期購入の解約が増え始めています。」

「商品は変わっておらず、変化といえばカスタマーサポートのメンバーが変わったくらいです。そこで様子を観察してみると、どうも無機質な対応をしているようで…私が理想とする顧客対応とは違います。こうした場合、どのように改善のアプローチをするのが効果的でしょうか?」

顧客対応の品質が原因で、クレームや解約が増えている…経営者としてはとても不安な状況ですよね。因果関係を証明するのが難しく、指摘しにくいのも厄介なところです。

改善策を考えるうえで注目したいのは、「カスタマーサポートのメンバーが変わった」という部分。人が変わったことで品質も変わったということは、単刀直入に言えば「品質を保つ仕組みがない」のです。

顧客対応の品質は、個人の性格や力量に左右されやすいもの。だからこそ、仕組みで再現性を担保する必要があります。今回は、チームの品質を保つための仕組みづくりについて、ご一緒に考えてみましょう。

品質を保つ仕組みの構造

仕組みというとマニュアルや雛形が思い浮かぶかも知れませんが、実はそれだけでは足りません。なぜなら、マニュアルは仕組みではなく、あくまでも道具にすぎないからです。

弊社の他の動画でもお伝えしていますが、仕組みは「考え方×オペレーション×道具」の組み合わせによってつくられます。そして、三つの要素の中で最も大切なのは「考え方」です。

同じオペレーション、同じマニュアルの顧客対応でも、『注文を受けるのが仕事』と考えるのと、『お客様にファンになってもらうのが仕事』と考えるのとでは、対応の仕方が全く変わってくる。これが、考え方が重要である理由です。

まず”どんな考え方でお客様に接するか”という土台を固め、それを”具体的にどうやるか”のオペレーションに落とし込み、マニュアルやスクリプトなどのツールで支えると、品質保持の仕組みが整っていく。ご相談者様の会社でも、まずは「考え方」を改めて掘り下げ、メンバーに浸透させていくことが重要かと思います。

考え方を仕組みに落とす

「考え方」の徹底によって成功した企業の代表例には、靴の通販会社「ザッポス(Zappos)」が挙げられます。扱っている靴自体は他社と同じでも、「サービスを通じて『ワオ!(驚き)』を届けよう」という考え方の徹底により、圧倒的な顧客体験を提供してファンを増やし続けているのです。

ザッポスでは、「ワオ!を届ける」ホスピタリティを”自社のアイデンティティ”や”最大の武器”と位置づけ、教育や採用にも戦略的に組み込んでいます。さらに、ホスピタリティの質を維持・向上させるためのさまざまな仕組みも設計されています。

例えばカスタマーサポート部門では、受電数、受注数、リピート数といった項目に加え、「一回の通話で話した時間」も数字で分かるようになっています。

面白いのは、通話時間を計測する目的が「効率化」ではないところ。一般的には短時間の通話が効率的で良しとされますが、ザッポスでは”顧客への感動提供”を目的としているため、顧客との絆を深める長時間の通話が称賛されるのです。

つまりザッポスでは、受注数やリピート数はもちろん、お客様とコミュニケーションをとれているか、お客様を感動させているかといった部分もKPIになっている。「考え方」も数字で把握し、業績拡大につなげているというわけです。

本日の結論

ザッポスのように、「考え方」を数字で検証することは重要です。受電数に対する受注率、顧客から届いた感謝の声の数などを数字で把握し、高い人と低い人では何が違うかを検証する。これが品質改善につながります。

まずは「どんな考え方で顧客に向き合うか」を明確にする。次に、それをオペレーションやツールに落とし込み、数字で検証・改善する。このように、自社の考え方に合わせて現場を最適化していけば、必ず変化を起こせます。

大変な取り組みではありますが、ぜひ、「考え方×オペレーション×ツール」によるチームの仕組み設計にチャレンジしてみてください。

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