急成長の代償とは? 何が企業を狂わせたのか ─ 第1回 ビッグモーター事件の背後に広がる問題 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2024.04.05

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急成長の代償とは? 何が企業を狂わせたのか ─ 第1回 ビッグモーター事件の背後に広がる問題

株式会社ブレインマークス

ビッグモーターの不正問題、急成長の代償とは?

中古車販売大手の「ビッグモーター」が故意に車に傷をつけるなどして修理代を水増しし、大手損保各社に保険金を不正に請求した問題が世間を騒がせました。報告書によれば、一部の従業員が故意に車に傷をつけ、修理代を水増しして保険金を不正に請求したとのこと。衝撃的な事実が浮かび上がりましたが、あなたの経営する企業でも同様の問題は起きていないでしょうか。

外部の弁護士による特別調査委員会が従業員の一部を対象にアンケート調査を行った結果、4人に1人が「不正な作業に関与した」と回答していたことがわかりました。

▶ビッグモーター 4人に1人が不正関与と回答 一部従業員への調査
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230714/k10014130491000.html 

上記の報告書が示すように、不正の背景には営業ノルマや本部からのプレッシャーが横行した結果、一部の従業員が不正行為に手を染めるというケースがあります。
この事実を受け、自社においても同様の問題が発生していないか、冷静に考える必要があります。

営業プレッシャーと忖度文化の影響

報告書によれば、これらの不正行為が広がった背景には、営業ノルマや本部からの強いプレッシャーがあったと指摘されています。

急成長を遂げる中、営業成績の向上や目標達成に向けたプレッシャーが従業員に及んでいたようです。

ビッグモーターは成長の中で「いびつな忖度文化」が生まれました。
成長のプレッシャーに追いつけないという状況が、倫理観を無視した行動が容認される一因となっています。

しかしこのような問題はビッグモーターだけでなく、他の企業でも同様に起きているのではないでしょうか。

かつて所属していた企業では、夏のキャンペーンを名目に不正な案内が指示されていました。「これって不正じゃないか」と感じながらも、入社間もない社員は数字に追い込まれて案内をする。

そんな中、我に返ることができた私は組織を離れましたが、
こうした環境は人間の道徳心を奪い、何年も継続すると当たり前になってしまう。

このような状況は全国どの企業においても起こりうるものだと思うのです。

倫理的な経営の未来に向けて

不正行為に対する具体的な対策として、内部通報制度の整備、倫理教育の強化、経営の透明性の向上、適切な監査の実施、公正な報酬制度の設定などが考えられます。

これらの措置により社内の倫理観が強化され、将来的な問題の予防や、さらに問題発生時には早期にそれを察知し、適切に対応できる体制が整います。

このような具体的な対策と同時に、経営者自身が謙虚な気持ちを忘れず、倫理的な経営を心掛ける必要があります。これからの時代は、企業が成長する上で社会的な責任を果たすことが求められるのです。

企業の成長背景に隠れた倫理観の喪失にどう対応するか、そしてどのように持続可能な成長を実現するかは、後続の記事で深掘りしていきます。
(安東邦彦/第2回に続きます)

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