書籍「トレードオフ -手軽をとるか、上質をとるか」を、中小企業経営に活かす方法 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2024.02.29

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書籍「トレードオフ -手軽をとるか、上質をとるか」を、中小企業経営に活かす方法

株式会社ブレインマークス

今回は、書籍「トレードオフ -手軽をとるか、上質をとるか」を、中小企業経営に活かす方法についてご紹介します。

著者は、アメリカのテクノロジー・コラムニストであるケビン・メイニーさん。本書では、ビジネスで卓越した成果を上げている人や企業の共通点を取り上げ、成功するためにするべきこと、するべきでないことについて詳しく解説されています。

本書はボリュームのある書籍ですが、根底に流れる考え方はとてもシンプルです。今回は、本書の内容に基づき、「トレードオフ」の概念や、経営への落とし込み方について考えていきます。

■二兎を追う者は一兎をも得ず

トレードオフとは、「両立できない関係性」や「一方を重視すれば他方が成り立たない状態」を表す言葉です。本書では、ビジネスの明暗を分ける要素として、「上質さ」と「手軽さ」のトレードオフを挙げています。

成功を収めている、あるいは収めた人や企業は、総じて「上質さ」か「手軽さ」のどちらかに特化したビジネスを展開しています。もし両方を実現しようとした場合、「上質でもなければ手軽でもない」中途半端な商品やサービスが生まれ、消費者の関心を引けずに売上が低迷することになるのです。

他社には真似のできない独自の価値を生み出そうと考えるとき、私たち経営者はつい「手軽かつ上質」なサービスの実現を夢見てしまいます。しかし、心を鬼にして上質さか手軽さのどちらか一方に焦点を絞らなければ、成功を手にすることはできません。

では、「上質さ」「手軽さ」とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。それぞれについて、大まかな定義を見てみましょう。

■上質さ、手軽さとはなにか

「上質さ」とは、「どれほど極上の体験を紡ぎ出しているか」の度合いを指しています。

たとえばロックコンサートでは、アーティストが眼前で演奏する姿に加え、音質や照明、演出、周囲の観客の盛り上がりなど、その場にあるすべての要素が繋がり合って「極上の体験」を作り出しています。ただし、ロックコンサートは「手軽なもの」だとはいえません。

一方「手軽さ」とは、「どれほど手に入りやすいか」の度合いを指しています。先述のロックコンサートと同じ音楽のジャンルで比較すれば、安価で簡単に使える音楽ダウンロードやサブスクリプションのサービスが「手軽」なものにあたるでしょう。しかし、サブスク等のサービスで音楽を聴くことは、「極上の体験」とは言い難いですね。

手軽さ特化で成功しているブランドの例には、IKEAやニトリなどが挙げられるでしょう。反対に、上質さで知られるブランドには大塚家具などが挙げられますが、同ブランドが高級路線の撤廃に舵を切って以降、一気に業績が低迷してしまったのは記憶に新しいところです。

■トレードオフの失敗例

本書には、上質さと手軽さのトレードオフに失敗してしまった企業の例として、スターバックスの名が挙げられています。

スターバックスは、コーヒーそのものの味に加え、洒落た内装やスマートな接客による「特別なコーヒー体験」を提供することで大成功を収めました。次いで、スターバックスは拡大路線をとり、世界中に次々と新しい店舗を構えていきます。

1998年には世界で1886ヵ所だった店舗は、10年間で1万ヵ所を超すまでに増えました。しかし、至るところに店舗が開かれた結果、スターバックスは「特別なお店」から「どこにでもあるお店」に変化していきます。そして、店舗数が1万1226ヵ所となった2007年には、それまで伸び続けていた既存店の来店者数が、初めて減少に転じてしまったのです。

もちろん、これだけで「スターバックスは事業に失敗した」と断じることはできません。しかし、店舗数の拡大によって「いつでも行ける手軽さ」が強化された結果、高級感や特別感という「上質さ」が薄れてしまったのは事実ではないでしょうか。

■本日の結論

手軽さと上質さを完璧に両立するのは、やはり難しいものです。ビジネスを成功させたいと考えるならば、常に「手軽」と「上質」のどちらかに明確な重点を置きつつ、選ばなかった方も少しずつレベルを引き上げていく…という戦略が求められるでしょう。

本書には、トレードオフに関する解説とともに、上質さと手軽さの選択を見誤らずに成功を収めるためのヒントが豊富に記されています。ぜひご一読になり、今後の戦略づくりの糧にしてみてはいかがでしょうか。

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