
今回のテーマは「5年で年商10億円を目指すのは無理なのか?」です。
先日、教育事業を営んでおられる方からこんなご相談をいただきました。
「創業10年、地道に成長してきましたが、ここ3年ほどは伸びが鈍化しています。現在年商2億で、今後5年ほどで年商10億規模に成長させたいと考えています。ただ、年商を5倍に伸ばすイメージが湧きません。ビジネスや市場を根本的に見直す必要を感じています。このような課題に、安東さんならどう向き合いますか」
5年で年商2億から10億へ――とてもわくわくする目標設定ですね。一つのマーケットをきちんと押さえれば、中小企業でも年商10億は決して非現実的な数字ではありません。実際、弊社のクライアントでも5年で年商5倍を実現された事例があります。
エリアや市場規模、事業モデルによっても戦略は変わってきますが、今回は「年商2億の教育事業」を前提に、5年で年商10億を目指すための考え方を整理していきます。
教育事業のような労働集約型ビジネスが成長するために、まず取り組むべきは「人材育成」です。
労働集約型ビジネスが伸び悩む原因のほとんどが「成長に必要な機能を担える人がいない・足りない」こと、つまり人材育成がうまく機能していないことにあります。だからこそ、ここは一度徹底して人材育成に向き合っていただきたいと思います。
かつて、弊社も同じ壁にぶつかったことがあります。「お客様が満足するコンサル」ができる人材が、経営者である私しかいなかったのです。その結果、「私の限界=会社の限界」という図式が出来上がり、業績は1~1.5億で頭打ちに。そのまま3年ほど停滞が続きました。
そこで取り組んだのが、「自分と同じようにクライアントに価値提供できるコンサルタントを育てる」ことへの徹底注力です。その結果、私と同水準の価値提供ができるコンサルタントが5人育ち、事業拡大は再びスピードに乗り始めました。
ただし、「人が育てば万事解決」というわけではありません。人材育成の仕組みが整ったら、次は「育つ人材をどう増やしていくか」という課題が出てきます。
たとえば、自社が理想とする人材をどうやって採用するか。あるいは、仕組みをさらに磨き上げ、「ほどほどの人材でもトッププレイヤーと同じ成果を出せる教育体制」をつくれないか…といった具合に。
さらに、会社が成長すれば、マネジャーの育成も必要になってきます。年商10億ともなれば、組織規模は恐らく50人前後になるでしょう。組織の人数が多くないうちは社長とリーダー1~2名で目が届いても、50人規模となればそうもいきません。特に労働集約型ビジネスの場合、売上が上がれば必然的に人も増えていきます。だからこそ、マネジャーが育つための仕組みが必要になるのです。
ここまでお伝えしてきた通り、年商10億を目指すためのファーストステップは、総じて「人材育成の体系化」です。ただ、事業拡大にはブランディングや会社全体の仕組み改善など、育成以外にも幅広い取り組みが必要になってきます。
ここで打ち手を見極めるために欠かせないのが、停滞の原因=ボトルネックを明確にすることです。具体的には、「理想と現状のギャップを明らかにし、そのギャップを分解したうえで、一つひとつの課題の打ち手を考えていく」こと。これは労働集約型ビジネスに限らず、どんな事業にも通じる考え方です。
「価値を届けられる人を育てること」「組織をまとめるマネジャーを育てること」——この二軸を地道に積み上げていくことが、年商10億への最短ルートを歩む第一歩です。
ぜひ、創業10年・年商2億という確かな実績の上に、「人材育成」の仕組みを一つずつ積み重ねてみてください。成長スピードが変わるとともに、年商10億達成のイメージもぐっと明確になってくるはずですよ。