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2025/07/10

社員が会社の未来にコミットしない理由

社員が会社の未来を考え出す 関わり方

今回のテーマは「社員が会社の未来にコミットしない理由」です。

先日、クライアントの方から「社員が会社の未来にコミットしてくれない」とのご相談をいただきました。

「安東さんの動画を見て、ビジョンと経営目標を立案しました。これから目標の達成に向けて社員を参画させていきたいのですが、上手くいきません。社員はビジョンや経営目標に対してどこか他人事なんです。全社一丸となってそこに向かうという気概を感じられないのです。給与を貰っているのだから会社の未来にコミットするのは当然だと思うのですが、どうしたら社員の意識を変えることができますか?」

ご相談いただきありがとうございます。まずはビジョンの作成お疲れさまでした。弊社の動画を見て作成していただけたとのことで嬉しいですし、動画を見て実践できるということはとても実行力の高い経営者なのだとお見受けします。だからこそ、責任を持って動いてくれない社員さんにはイライラしてしまうかもしれません。

ただ、今回のご相談内容について、私からお伝えすることはちょっと耳の痛い話になるかもしれません。というのも、どんな状況であれ、最初に変化すべきは経営者だったりするからです。

そこで今回は、社員が会社の未来にコミットしない理由とその対処法をお伝えできたらと思います。

正論で人は動かない

ご相談を受けて私が不安に感じたのは、「社員は給与を貰っているのだから会社の未来にコミットするのは当然だと思う」という考えを社員さんに伝えていないかどうかです。

確かに、この考えには私も共感できますし、経営者の立場からすれば正論だと思います。

しかし、残念ながら正論で人は動きません。「給料を貰っているから頑張ります!」という社員はいないばかりか、経営者が正論を唱え続けると、時に社員との溝を深めることにつながりかねません。

では、人は何で動くかというと結局は「感情」だと思っています。例えば、長い付き合いの友人から何か頼まれごとをした場合、「●●の頼みなら、全力で答えたい」と思いますが、顔見知り程度の人に何か重い頼まれごとをしたら「なんで自分が?」と思いませんか。

会社も同じで、「この会社が好きだ!この会社を信頼している」「仲間のために頑張りたい!」と社員に思ってもらえれば、一緒に会社の未来に向けて力を注いでくれるのです。

社員の視点で考える

偉そうなことをお伝えしましたが、私自身も昔は「会社が好きなんて甘い、むしろもっと厳しくしなくては…」と思っているタイプでした。

しかし、マイケル.E.ガーバー氏と出会い、ガーバー氏に教えてもらった言葉で、社員の視点で会社を見つめ直すことができ、社員が会社に何を求めているのか気づくきっかけとなったのです。

ガーバー氏の言葉を下記にてお伝えします。

『それぞれの社員に多少の違いはあれ、根本はあなたと同じである。それぞれの価値観、情熱、目的、目標、夢をもっている。あなたほど明確に意識したり、表現したりはしていないかもしれないが、彼らも同じものをもっている。

そして、それらを満たすことができる職場を常に探している。あなたと同じく、「挑戦しがいがある仕事」、「意味のある仕事」、「成長できる仕事」、「人間関係の良い職場」、「問題を解決できる職場」を求めている。あなたと同じく、フレンドリーで、公平に評価され、成長の機会を提供してくれる職場環境を求めている』

その言葉を聞いた時、「あぁ、社員も自分と同じなのか」と強く感じたのを覚えています。そして今の自分の会社を点検して、“社員の立場だったらどう見るだろうか”“愛着を持てるだろうか”と真剣に考えるようになりました。

その結果、「意味のある仕事はある、成長できる環境もある、でも人間関係の良い職場は…ないかも」と、自分が社員だったら自分の会社に本気でコミットはできないかもしれないと思ってしまいました。

愛着は長期的な関係から

ガーバー氏の言葉を受け、組織づくりを始めてから感じたことがもう一つあります。それは”愛着を持つには時間がかかる”ということです。

私自身もそうですが、入社数ヶ月程度の社員に愛着を持つのはなかなか難しいと感じます。しかし、5年、10年と自社で働いてくれている社員には少なからず愛着が湧くものです。

これは社員も同じだと思います。会社に長くいることで、自分の歴史が深まったり、思い出ができたり、仲間との絆を育みながら徐々に会社に愛着を持ってくれるのではないでしょうか。

こうした経験から、入社して数ヶ月で「ビジョンにコミットしろ!」と言われても社員はピンとこないだろうと思いました。

なので、まずは皆さんも『社員が会社に愛着を持つにはどうしたらよいか』を真剣に考え抜いてみてください。

結論

社員の意識を変えて会社の未来にコミットしてもらうためには、会社に愛着をもってもらうことが欠かせません。会社に愛着をもってもらうには時間がかかりますが、愛着が湧くのに時間がかかる人は比較的冷めにくく、長く会社で働いてくれる傾向にあると感じます。

時間をかけながらでも会社を好きになってもらうことができれば、社員は会社の未来に協力してくれるはずです。そうすればチーム一丸となって、ビジョンや経営目標の達成に向かって取り組めるのではないでしょうか。

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