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2025/05/15

心理的安全性とぬるま湯組織の違い

心理的安全性 本当の意味

今回のテーマは「心理的安全性のある組織とは」です。先日、クライアントの経営者の方から「ある社員から“この組織は心理的安全性がない。僕の提案を採用せず否定ばかりだ”と言われました。彼の意見を採用しないのは、未熟な意見だったからなのですが、組織の心理的安全性を確保するためには、未熟だとしても採用したり、褒めたりするべきなのでしょうか」とご相談をいただきました。こういったご相談は、よくいただきます。たしかに、昨今よく耳にする「心理的安全性」は、良い組織をつくるために重要です。しかし、それを都合良く解釈し、相手を責める材料に使うのは喜ばしいものではありませんよね。

心理的安全性の高い組織とはどのようなものなのか、一緒に見ていきましょう。

心理的安全性とは?

そもそも、「心理的安全性」とは何なのでしょうか。この言葉は、1999年にハーバード・ビジネス・スクールのエイミー・C・エドモンドソンが提唱しました。彼女の定義によると、「チームにおいて、“他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰を与えたりしない”という確信を持っている状態」であり、「もし誰かに否定的な意見を言ったりしても、お互いに安心感を持てる状態」が、心理的安全性がある状態だといいます。

このキーワードが一気に注目を集めたのは、2015年です。Googleが「社内で生産性の高いチームを調べたら、心理的安全性の高さが共通していた」という見解を発表したのをきっかけに重要性が認知され、急速に世の中へ浸透していきました。

ただ、同時に「何を言っても受け入れてくれる、意見を全く否定しないのが心理的安全性だ」などの誤ったイメージも広まっているように思います。改めてお伝えすると、心理的安全性は「プロフェッショナルとしての自己研鑽をせず、好き勝手な意見を言っている人も容認しよう」ということではありません。

心理的安全性の本当の意味

心理的安全性がある組織では「関連のある考えや感情について、人々が気兼ねなく発言できる雰囲気」「人々が率直に発言できる」などの特徴があります。嫌なことを嫌、違うことを違うと発言することができ、お互いの意見に齟齬があったとしてもギスギスしない信頼関係がある状態です。

全員の根底に「相手の発言は自分を傷つけるためのものでなく、会社やチームをより良くするために言っているのだ」と信じる気持ちがあるから、お互いに心置きなく意見を言い合えるのです。心理的安全性が担保されている組織は、言うまでもなく生産性が上がっていきます。そして、非常に高度な組織へと進化していくのです。

こうした組織をつくるために

心理的安全性の高い組織をつくるために、私たち経営者ができることはたくさんあります。たとえば、新メンバーの意見を完全否定するのではなくいったん受け止め、その意見をなぜ受け入れるか、なぜ受け入れられないのかなどを、きちんと明確に話してあげるというのも良いでしょう。

こういった姿勢は、私たちブレインマークスでもかなり意識しています。まだまだ完璧ではありませんが、長い時間をかければ、お互いに率直な意見交換ができるようになり、より良い組織になっていけると信じています。

今回のまとめ

心理的安全性を担保した組織をつくるためには、経営者が「どのような組織をつくりたいのか」をイメージすることが大切です。今回ご相談くださった方も、まずはご自身の会社の未来像を考えてみてはいかがでしょうか。

そして、心理的安全性というキーワードを良いように利用する社員に負けることなく、覚悟を持って、ご自身のめざす組織を実現していってくださいね。応援しています。

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