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2025/03/27

新人教育と中小企業はどう向き合う?

今回のテーマは「新人教育と中小企業はどう向き合う?」です。

先日、クライアントの方から「新人教育」についてご相談がありました。

「新卒、中途と数名の社員が入社しました。良い人材を獲得できたので、しっかりと教育しながら早期に活躍できるようにしてあげたいです。ただ、弊社には体系だった教育体制がありません。何かおすすめの研修や、やり方があれば教えてください」

まずは新入社員さんの獲得、おめでとうございます。採用の難しい時代でも、新しい人を採用できるのは素晴らしいですね。新しい人が入社されると、組織に新しい風が吹き、既存の社員さんたちもどこかフレッシュな気持ちになるのではないでしょうか。

さて、弊社でもさまざまな研修を実施するなかで、新人研修では特に重要だと感じていることがあります。それは、「部分的な研修」をするのではなく、「自社にあった人材を育てる研修」が必要だということです。そこで今回は、『自社にあった人材を育てる研修を設計する』という視点で、お話していきたいと思います。

教育は「点」から「線」へ

弊社も教育に力を入れていることから、よくクライアントからも「何かお勧めの研修はありませんか?」「どんな研修を受けさせていますか?」と聞かれることが多々あります。しかし、この問いに答えるのは意外に難しいのです。

なぜなら、弊社は「自社にあった人材を育てるために教育」を設計しているので、それがクライアントにも当てはまるとは限らないからです。あくまでも参考程度にしかなりません。

では、どうすれば自社にあった研修ややり方を見極めることができるのでしょうか。それは教育を「点」ではなく「線」で見るということです。

例えば、

「電話が苦手だから電話研修に参加させる」

「トークが下手だからプレゼン練習をさせる」

このように、できていないところを改善させるための「点」の教育では、短期的に効果を見込めるかもしれませんが、自社にあった理想の人材には育っていかないと思うのです。

自社で活躍する人物像を明確にする

では、教育を「線で見る」というのはどういうことでしょうか。それは、「数ヶ月後、数年後にあるべき状態を設定し、あるべき姿と現在のギャップを埋めるために、段階的に能力を伸ばすサポートを設計していく」ということです。

「点で見ている」と感じる企業の多くは、新人さんに数ヶ月後、数年後にどうなって欲しいのか、どのように活躍して欲しいのかが不明確であるケースが多いです。だからこそ、まずは「数年後、新人にどうなっていて欲しいのか」「どうなっていたら自社で活躍できるのか」という理想像を掲げて欲しいのです。

理想像が明確になれば、その状態になるために必要な能力や知識、行動習慣が見えてきます。ここで見えてきた能力を伸ばすために、この1年はこれについて学んでもらおう、と研修を設定することができます。

このように自社で活躍する社員像を明確にし、段階的に能力を伸ばすように研修を設計していくことが大切です。

チームで育つという視点

もう一つ、研修を設計する上で大切なのが、「チームビルディングの視点」です。個人個人のレベルアップはもちろん大切ですが、会社は組織ですからチーム全体のレベルを上げることが欠かせません。

弊社でもチーム全体のレベルを向上させるために、全社的な研修の取り組みを行っています。例えば、自社サービスの理解を深めるための用語集テストの実施や、顧客のビジョンを描くためのトレーニングなどです。

こうした研修は個人のレベルアップにつながるのはもちろん、仲間と切磋琢磨しながら取り組めるのでチーム関係を築きやすいという利点もあります。

教育は「線」の視点で長期的に設計しながら、その中に「チームビルディング」の視点を加えるとより組織全体のレベルアップにつながります。

本日の結論

早く新人に活躍して欲しいという気持ちから、苦手分野の克服や、ピンポイントでの研修を実施している企業は少なくありません。しかし、「点ではなく線で見る」「個人だけでなくチームで取り組む」という視点から研修を設計することで、社員のレベルは一段と上がるのではないでしょうか。ぜひ、皆さまの会社でも「自社に合った人材を育てる」ことを念頭に研修を実施してみてください。

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