中小企業の未来を考える経営コンサル
ティング株式会社ブレインマークス

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2018.09.12

コンサルティング

「顧客満足」を追求すると会社が潰れる

中小企業の経営者なら誰でも、付加価値を提供し、差別化をしたいと考えているでしょう。

差別化したサービスとは、顧客満足を高めるのではなく、
顧客が潜在的に抱えている不満や問題を解消するためのものでなければなりません。
なぜなら、顧客満足には限界がないからです。

「顧客不満足の解消」を目指すために私たちは何をするべきか
今回はそれを考えてみたいと思います。

 

■「顧客満足の追求」に落とし穴が……

前回は『パン屋さんの商品は「パン」ではない!』というテーマで、
中小企業の商品とは「事業そのもの」であることを書きました。

今回は、その「商品=事業」を磨き、
差別化していく具体的な方法についてご紹介したいと思います。

自社の商品・サービスに付加価値を持たせ、差別化をする。
中小企業の経営者なら誰しもが考えることでしょう。

しかし、その「差別化」がそう簡単ではありません。
同じ商品を取り扱い、同じような価格のライバルが存在するのなら当然です。

そのため多くの会社は、「顧客満足」を追求することで差別化を図ろうと努力するのです。
つまり、「顧客のためのサービス」を充実させようとしている。

しかし、実はここに大きな落とし穴があります

 

■顧客は事業の採算性など考えない

誤解を恐れずにいえば、「顧客満足」を追求していたのでは、
差別化したサービスを提供することも、個性的な会社になることもできないでしょう。

差別化したサービスとは、顧客満足を高めるものではなく、
「顧客が潜在的に抱えている不満や問題」を解消するためのものでなければなりません。

なぜなら、顧客満足には限界がないからです

価格ひとつとっても、同じ商品なら、1万円のものより8000円のものを望みます。
願わくば、タダのほうがうれしいでしょう。
サポート時間も、できることなら24時間対応を望みます。

顧客は、事業の採算性のことなど考えません。
「とにかく自分を満足させて欲しい」と考えます。

顧客満足を追求し続けるということは、
永遠にエスカレートし続ける顧客の欲求に、
とことん付き合い続けなければならないということでもあるのです。

 

■顧客満足が会社を潰す

このことは、あなたの会社だけに限った話ではありません。

例えばある税理士は、
「顧客の要望を細かく聞いていった結果、受け取っている顧問料ではとても足りなくなった」と嘆きます。

とあるウェブデザイナーは、クライアントの要望を逐一叶えようとした結果、
「繰り返しの修正を指示されてとても採算がとれない」とため息をつきます。

採算性を重視すれば顧客は満足しません。
しかし、そこにとことん付き合おうとすると会社が潰れます

そのため多くの会社は、顧客満足と採算性を天秤にかけて悩みぬいた末に、
「そこそこの顧客満足」で「そこそこの採算性」のある
ありふれたサービスにたどり着いてしまうのです。

だからこそ私たちは「顧客満足」という概念を捨て、
「顧客不満足の解消」を目指すべきだと考えています。

■意識を「顧客の不満足」に向ける

「顧客不満足の解消」とは、顧客が不満に感じていることを見つけ出し、
そこを一点突破するということです。

これは「事業をイノベーションする」ことと同義です。

例えば私の友人は、よくマクドナルドでハンバーガーを買っています。

「他のチェーンのほうが美味しいんだけどね」などと言いながら、
それでもマクドナルドで買うのは、
安くて、早くて、どの街にもあるからです。

私たちの生活に欠かせなくなったコンビニは、
よくよく考えてみれば商品の選択肢はそこまで多くありません。
しかも、ほとんどの場合は定価です。

それでもコンビニに人が集まるのは、
「欲しいものがあるときに開いている店がない」という不満足を解消しているからです。

ファンをつくりたい、顧客の力になりたいと思いながらも、
なかなか成果が現れないとしたら、
その原因は顧客の満足度を高めようとしているからではないでしょうか。

その意識を顧客の不満足に向けて、徹底的に洗い出してみましょう。

あなたやあなたのライバルが解消できていない顧客のフラストレーションは何でしょうか?

不便だと感じていること。
仕方がないと我慢していること。
あるいは渋々了解していること……。

そこで見つかる答えがイノベーションの種であり、
あなたをライバルと差別化するためのヒントなのです。

(安東邦彦)