教育担当は1人でいいのか? | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2023.09.07

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教育担当は1人でいいのか?

株式会社ブレインマークス
 

今回のテーマは、「教育担当は1人でいいのか?」です。

先日、経営者の方から教育体制についてご相談をいただきました。「新人が混乱しないよう『1人の教育担当者がすべて教える』方法をとっているのですが、なんだか閉鎖的な関係が築かれているようで心配です。体制を変えるべきか悩んでいるのですが、安東さんは教育体制についてどのようなことを心がけていますか?」という内容です。

教育体制は、多くの経営者が頭を悩ませる問題です。教育担当者と新人の関係が悪くなることはもちろん、あまりに関係が密になりすぎてもトラブルに繋がるため、どうバランスをとったものか困ってしまいますよね。

私も多くのクライアントに接する中で、失敗例を含むさまざまな事例を目の当たりにしてきました。そこで今回は、私の教育体制についての考えや、ブレインマークスで実際に行なっている教育への取り組みについてお伝えします。

■教育のすべてを1人に依存するリスク

「混乱を防ぐため、教育担当者を1人決める」という方針そのものは、決して間違いではありません。しかし、新人教育の「すべて」を担当者1人に任せるとなると、担当者の負担は相当大きなものとなってしまいます。

さらに、新人と教育担当者が1対1の閉鎖的な関係は、会社にとってリスクとなることも。たとえば、私はこんな事例を目にしたことがあります。

あるクライアントの教育担当者が、新人にべったりと付きっ切りで指導を行なっていました。それを問題視した社長が、状況を改善しようと新人に直接指示を出してみたところ、教育担当者が激怒。社長と対立した末に離職し、さらには当の新人までもが担当者と一緒に辞職してしまったのです。

教育を1人に依存して閉鎖的な関係が作られた結果、一度に2人も社員を失ってしまったということですね。

■司令塔は1人でも、サポーターは多数に

1対1の閉じた教育体制には「教育担当者が新人を自分のもののように扱い、周囲の意見に耳を貸さなくなる」「新人が教育担当者を過剰に崇拝する」といったリスクが付きまといます。先にご紹介した事例のように、極端な場合は離職に繋がってしまうことも。

では、こうした問題を回避するために、中小企業はどのような教育体制をとればよいのでしょうか。私は、「教育担当者を1人決める」という基本の姿勢はそのままに、「会社全体で社員教育をフォローアップする」体制を作ることをご提案します。

1人がすべてを担うのではなく、社全体で連携しながら新人を育てていく体制があれば、「担当者がカバーしきれない点を、ほかの人がフォローする」「担当者からでは伝わりにくい話を、他の人から伝えてもらう」といった工夫が可能です。

担当者が司令塔、ほかの社員がサポーターとなり、チームプレイで新人を育てていくと捉えると、イメージしやすいのではないでしょうか。このように、会社全体で教育を行なえば、メインとなる担当者の負担を減らしつつ、閉鎖的な関係が生まれるのも防ぐことができます。

■個人ではなく、会社全体と関わり合う

ここで、ブレインマークスで行なっている取り組みをご紹介しましょう。私たちは、会社全体で教育を支える体制づくりに加えて、「業務の中で、できるだけ社内の色々な人と関われる仕組みづくり」にもチャレンジしています。

私たちのような小さな企業の場合、1人の社員がさまざまな役割を兼務することがままあります。その際、同じ人同士ばかりを組み合わせるのではなく、できるだけ色々な人と関わり合えるように配置を調整しているのです。

社内のさまざまな人と関わることには、「社員同士の関係が煮詰まるのを防げる」「社員同士が、互いに新鮮な刺激を与え合える」といった利点があります。特定の個人との繋がりではなく、会社全体との繋がりを築くことで、社内の風通しを確保しながら個々の成長も促せるということですね。

■本日の結論

司令塔ひとり、サポーター多数の教育体制は、新人にとっても「混乱しにくい上に、みんなが応援してくれる」心強い環境となり得ます。また、特定の社員だけでなく多くの社員と関われる環境を作ることは、新人に会社への愛着を抱いてもらうことにも繋がるでしょう。

新人が担当者だけを崇拝するのではなく、会社そのものを大切に思ってくれれば、その人はきっと将来、会社にとって心強い味方に成長します。教育担当者や新人社員のため、そして会社そのもののより良い未来のために、是非チームプレイでの社員教育に挑戦してみてください。

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