ブレインマークス流「テレワーク」運営術(第2回) 〜人材の管理には限界がある | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2021.09.23

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ブレインマークス流「テレワーク」運営術(第2回) 〜人材の管理には限界がある

安東 邦彦

テレワークだけど、ブレインマークスの社員に近い立場で

中小企業がテレワークという手法をうまく活用し、会社としての戦力アップにつなげていくためにはどうすればいいのか。

前回のコラムでは、ブレインマークスが取り組んでいる「テレワーク枠」採用についてご紹介しました。

多くの中小企業経営者と同様に、私自身も、テレワークとの向き合い方には頭を悩ませてきました。ブレインマークスの社員でテレワークを実施してみましたが、「これでは戦力ダウンになってしまうな……」と感じたことも。

そこで、テレワークという手段を戦力アップにつなげる方法を考えました。

最初からテレワークを希望する人を採用し、現社員では対応しきれなくなっている「動画編集」や「ライティング」の業務を任せてみてはどうか?

こうした業務は、外部の専門会社やフリーランス人材に依頼するのが一般的でしょう。しかし通常の業務委託として関わる形では、チームとしての一体感に限界があるのも事実。それなら「テレワークだけどブレインマークスの社員」に近い立場で働いてもらえばいいのではないかと考えたのです。

こうしてテレワーク人材の新規採用を進め、実際に働いてもらう中で、マネジメントや研修のあり方もどんどん変化していきました。

人を「管理しきろう」と考えるのには無理がある

動画編集やライティングをテレワーク人材に任せていく中で、会社に必要だった「採用担当者」もテレワーク人材として新たに迎え入れました。

ある意味では奇跡の出会いだったかもしれません。加わってくれたのは人材業界での経験が豊富で、面接にも長けている人。しかしお子さんが小さく、11時から15時までしか働けないため、採用関連の業務で力を発揮することができずにいました。

採用業務では社内コミュニケーションが重要となります。テレワーク人材とはいえ、毎日コミュニケーションを取り、1on1を行ない、社内会議にもオンラインで参加してもらっています。

こうしたテレワーク人材には時給制で報酬を計算して支払い、個人の都合に応じて自由な時間に動いてもらいます。

テレワークにまつわる議論ではよく「ちゃんと働いているかわからない」と不安視する人がいますよね。私は「そもそも、人を管理しきろうと考えることに無理があるのではないか」と感じています。

だからブレインマークスでは、テレワーク人材の採用面接には徹底的にこだわっています。重視しているのは「セルフマネジメントができる人かどうか」。

これを見極めるために、最初の3カ月間の専用研修メニューも用意しました。「安東が理念について話している内容をもとにレポート化する」など、さまざまな課題を出しています。こうした課題をどれくらいのスピードで提出できるかも見ています。

テレワーク人材の活用においても、問われるのは「理念」

ご紹介した例のように、テレワーク人材として活躍してくれているのは、優秀なスキルや経験を持ちながらも労働時間の制約があり、なかなかやりたい仕事ができずに悩んでいた人たちです。

もともとが優秀な人材なので、任せていく仕事の範囲はどんどん広がっていきます。もちろん会社との関係性もどんどん強化されていきます。そして、マネジメントの負荷は反比例して小さくなっているのです。

物理的な距離だけを考えれば、「テレワーク人材のマネジメントは難しい」という発想になるのも無理はありません。

しかし、テレワーク人材のマネジメントに悩まされる背景には、企業としての根本的な課題が潜んでいることもあるのだということを忘れてはいけません。

会社としてどんな理念を掲げ、何を目指し、どのように日々行動しているのか。

それを理解して働いてもらえれば、テレワーク人材はとても大きな戦力となるのです。

社長や社員が日頃から理念を体現できているか。テレワーク人材の活用においても、問われることは変わらないのかもしれません。

(安東邦彦)

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