書籍「1分間エンパワーメント社員の力で最高のチームをつくる」 | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2021.06.11

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書籍「1分間エンパワーメント社員の力で最高のチームをつくる」

株式会社ブレインマークス

 

 

今回のテーマは「書籍『1分間エンパワーメント社員の力で最高のチームをつくる』」についてです。今回は、中小企業の経営に役立つ書籍を紹介します。ケン・ブランチャード氏をご存知の方も多いのではないでしょうか。

今回、紹介する書籍以外の著書も60冊以上あり、累計二千万部程の本が売れています。

ケン・ブランチャード氏は、世界でも最も影響力のあるリーダーシップの権威であると言われているほど、非常に著名な方です。

今回は、その中でも、組織マネジメントに特化しており、名著である「1分間エンパワーメント社員の力で最高のチームをつくる」をご紹介します。

 

■エンパワーメントとは?

ケン・ブランチャード氏の書籍は、基本的に苦労してる社長がエンパワーメントの神様に出会って会社を改善していくという、物語調の内容で進んでいきます。

書籍「1分間エンパワーメント社員の力で最高のチームをつくる」の冒頭では、エンパワーメントしている代表企業でもある星野リゾートの星野社長が、エンパワーメントの具体的な方法を記したこの本に出会って感動した、と前書きをされています。

このエンパワーメントを簡単に言うと、社員の眠っている力を生み出し、自主性を発揮させるということです。つまり、社員の中で眠っている創造的なエネルギーを解き放ちながらも、会社をコントロール不能にはしないこと。また、社員のスキルや能力をフルに発揮させて行動し、社員自身に決定する責任を与えて、会社が成長する道筋をつくり経営していくのです。

弊社では、この書籍を社員全員に配り、読んでもらうようにしています。

また、この書籍の中で、多くの社員はベストを尽くすことが嫌なのではなく、ベストを尽くすことが怖いのだということが記されています。

これは、社員が、とても共感できる言葉なのではないかと思います。ベストを尽くすことが怖いと思っている社員を励まし、正しい行動を促して、しっかりとあなたのベストを尽くしていんだという環境を会社でつくることが、エンパワーメントの道です。

一般的な企業の場合、社員に対して間違いを指摘し、その間違いを懲らしめるマネジメントが中心的だと思います。しかし、エンパワーメントは、社員の間違いを指摘するのではなく、社員自身が考えた方法を認め、会社として後押しすることで、社員の力を解放できるのです。

 

■第1の鍵「正確な情報を全社員と共有する」

エンパワーメントに取り組んでいくために、ケン・ブランチャード氏が言う3つの鍵について紹介します。まず、第1の鍵は、全ての社員と正確な情報を共有することです。多くの経営者は、会社が赤字であることを共有していいのか、共有することで社員が不安にならないかなど、社員にどこまでの正確な情報を共有すれば良いか悩んでいる方も多くいると思います。しかし、エンパワーメントを実践させるためには、社員にマイナスなことも含め、会社のタイムリーな情報を伝えて、会社のビジネスの状況について理解を促すことが重要なのです。

つまり、情報や利益、マーケットシェア、生産性、不具合など、社長自身が必要だと思っている情報は、全て社員と共有するということです。経営者が知っている情報と、社員が知っている情報が違った場合、社員はどれだけ一生懸命考えたとしても、そもそもの情報格差で、経営者とは違う結論しか出せません。ですから、経営者が、社員にエンパワーメントの力を与えたいと考えているのであれば、会社にとって大切な情報を社員と共有する努力をしてください。

さらに、共有した情報を組織全体に浸透させて、社員を信頼していること、社員全員の力をこの会社を良くするために活かして欲しいというメッセージも伝えるのです。実際に、弊社の社員も、会社の数字をほとんど把握しています。最初は、何の数字なのかわかっていなかった社員も、自分の業務がどの数字に現れているのか実感すると、イメージできる社員が増えていきました。

社員は、失敗を恐れるため、なかなか責任を負う行動はしません。だからこそ、会社として、社員がリスクを取ることや失敗すること、過去のやり方を変えようとすることを許しましょう。難しいことですが、失敗も大丈夫であるという、組織を醸成して、会社の数字をしっかりと理解できれば、社員は学習して、必ず今まで以上の能力を発揮するようになります。

会社の情報を共有して、信頼関係を築く中で、出来るだけ階層意識をなくし、社員全員が経営意識をもてるようにすることが重要なポイントです。

 

■第2の鍵「境界線によって自律した働き方を促す」

第2の鍵は、境界線によって自立した働き方を促すということです。いきなり、社員にエンパワーメントで自主性を持って頑張ってと言ってもよくわからないはずです。境界線を取っ払うとは、社員が出来るだけ自由に、自分の考えで働いて良いという力を社員に与えることです。境界線を取っ払うために、必要なことは明確な会社の理念と目的です。

・何のための会社なのか

・この会社をどういう価値観で進めたいのか

・どんな将来像を描いているのか

・組織の構造の制度と、どう社員が評価されるのか

このような理念や目的が、社員の頭にインプットされると会社のルールの中で、こういう立ち振る舞いが出来ると決められるようになります。ケン・ブランチャード氏が言う境界線を外して自立した働き方を促すということです。

理念や目的を明確にすると、自主性が生まれるため、社員と会社が同じルールの中で仕事をすることが出来るようになります。また、全社員が自分の考えで境界線を取っ払うことができるのです。ここで、重要なポイントが、会社に説得力のある将来ビジョンがあるか、社員にどういった役割を任せているのかを明確にすることです。会社の将来像に社員も同意できれば、会社の未来のために協力しようと思います。さらに、社員に対して、どういった役割を任せているのか明確にすることで、社員は自然とやりがいが生まれます。

また、会社としての最低限のルールも設けるようにしましょう。私自身もそうだったのですが、ルールがないことが好きな経営者は多いと思います。しかし、ルールがなければ、そこに自由はなく、ルールがあるからこそ、それをどう変えるのかといった理想や願望が生まれてきます。ですから、社員の自由をつくるためにあえてルールを定めていくことが必要になります。

 

■第3の鍵「セルフマネジメント・チームを育てる」

第3の鍵は、セルフマネジメント・チームを育てるということです。セルフマネジメント・チームとは、業務のプロセス全体、あるいは商品やサービス全体についてチームで責任をもつことです。

また、セルフマネジメント・チームを作るためには、今までのように、上司が部下を管理するということを辞めて、自分で自分をマネジメントできるようにならなければいけません。仕事の最初から最後まで、全てチームで計画して実践し、管理する社員が平等に責任をもつ状態をつくり上げると、会社のために自分たちで仕事をするようになっていきます。弊社でも、各チームで計画立てて、チームで頑張った成果を、経営者である私に報告してくれる流れになっています。

しかし、セルフマネジメント・チームを育てるためには、段階があります。第1段階は、私がある程度こうやっていこうとチームに対して、方向付けをします。

第2段階では、社員に率先してやってもらいます。しかし、第2段階では社員もわからない部分が多いため、もう少し指示をして欲しいと社員からの不満が生まれます。ですから、もう少しチームで考えてやってみようと手助けをしながら、チームで業務を完結するようにフォローアップしていくのです。

第3段階では、社員自身で課題解決しようとしたり、自分で物事を進めようと動きます。この、3段階を経て、最終的に自分一人で成果を発揮できるようになります。チームに業務を任すということも、いきなり任せて、できていないことを頭ごなしに否定するのではなく、この3段階で成長していくのだと、理解しておくことが大切です。そして、少しずつフォローアップの手を離していくことを続けていくと、最終的に、自分で考えて、チームで動けるようになります。

 

セルフマネジメント・チームを育てていくための3つのポイントがあります。

・全員がチームスキルを学べるようにしていく

・チームが自立をしていくようにゆっくり支援していく

・上司がやっていたコントロールを徐々にチームに渡して行く

チームリーダーを中心に、セルフマネジメント・チームでの働き方を理解するようになれば、その部下であるメンバーも、だんだんセルフマネジメントを理解するようになります。エンパワーメントというものをしっかりと会社に入れていくためには3つの鍵があることを理解すると、社員の力で最高の会社をつくれるようになります。

 

■今日の結論

弊社は、エンパワーメントの8割程を実現する今までに、8年程の時間がかかりました。

確かに時間はかかりますが、毎年会社がよくなっていくため、停滞しているというよりも進歩していると思える時間を過ごすことができます。このケン・ブランチャード氏の書籍を読むと、理解は出来ても、すぐに会社に取り入れるという実感は湧かないかもしれません。

しかし、私も会社のためを思い、必死で理解し、自分なりに試行錯誤しながらやってきました。ぜひ、今回の解説をしっかりと頭に入れて頂けたら、エンパワーメントを実現するまでに短くても、5年掛かる時間を短縮することができるのではないかと思います。ぜひ、この解説を経営に活かしていただけたらと思います。

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