ウィズ・コロナ時代の新規事業(第3回) 〜今こそ「ビジネスモデルを考える」訓練のとき | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2021.06.10

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ウィズ・コロナ時代の新規事業(第3回) 〜今こそ「ビジネスモデルを考える」訓練のとき

安東 邦彦

「変われる社長」と「変われない社長」を分かつもの

新型コロナウイルスによる混乱が続く中で、中小企業が新規事業に挑む必要性はますます高まっています。

前々回のブログでは「新規事業とは必ずしもゼロベースで生み出すものだけを指すのではない」と書きました。

既存顧客に新商品を売ることも、既存商品を新しい顧客に売ることも、立派な新規事業だと言えます。どんな企業にも可能性があります。

それでも「新たなビジネスモデルをなかなか見いだせない」と感じ、悩んでいる経営者は少なくないでしょう。

私たちはこれまでに、さまざまな企業の経営支援を行なってきました。その過程では「変われる社長」も「変われない社長」もたくさん見てきました。

現在のような非常時にあって、新たな可能性を探らなければならないときに、柔軟に変われる社長にはどのような特徴があるのでしょうか。

私が出会ってきた「変化に強い社長」には、ある共通項がありました。

それは「自社のことばかりにとらわれず、幅広くビジネスモデルを研究し続ける」という姿勢です。

創業経営者でも「新規事業の未経験者」は多い

ここでいくつかのケースを挙げてみましょう。

・保険代理店で働き、独立した経営者

・ラーメン店で修行し、暖簾分けを受けた経営者

・勤務医として勤め、開業医となった経営者

この3人の経営者に共通することは何だと思いますか?

答えは「新規事業の未経験者である」ということ。創業経営者であっても、「自分自身でビジネスモデルを考えたことがない」という社長は案外多いのです。

上記のケースではいずれも、独立前に働いていた会社と同じビジネスモデルで創業しています。どんなサービスをどんな顧客に売るべきなのか。それを一から考える必要はなかったはずです。

こうしたタイプの経営者は、新規事業を興そうとする際に初めてビジネスモデルを考えることになります。経験のないことに取り組むわけですから、難しいのも当然です。

一方、自らビジネスモデルを考え出して創業した経営者は、その時点で「新規事業の経験者」です。創業の時点で、異業種のビジネスモデルも含めて幅広く研究しているはずです。

もしあなたが自社以外の業界についてほとんど知らず、ビジネスモデルの知見が足りないと感じるなら、まずは異業種の社長と積極的に話してみるのも一手かもしれません。

新規事業に挑むのは、経営者としての重要なトレーニングでもある

なぜ私がこんなことを偉そうに言えるかというと、私自身が、ブレインマークスを創業する際に悩みに悩んでビジネスモデルをつくり上げたからなのです。

私の場合は、これまでに一度も人がやっている事業を真似したことがありません。

創業前はコンサルティングもセミナーもやったことがありませんでした。その状態からすべて自分で事業をつくり、誰に売るべきかを考え、値付けをしてきました。

ある意味では、計画性がまるでなかったとも言えるのですが……。

この創業時の経験がベースとなり、私は既存事業を運営しながら、一方では常に新規事業の可能性を考えるようになりました。

現在のブレインマークスでは、「今期に売り上げるための既存事業」と「長期的に育てていく新規事業」を分けて考え、必要な投資も切り分けて実行しています。ビジネスモデルを生み出す苦しみを味わったからこそ得た習慣です。

コロナという危機を乗り越えるために、新規事業に挑まなければならない。この状況をネガティブにとらえている方も少なくないでしょう。

しかし見方を変えれば、新規事業に挑み、新たなビジネスモデルを考えることは、経営者としての重要なトレーニングであるとも言えるのではないでしょうか。

今はその好機なのかもしれません。

(安東邦彦)

▼【ウィズ・コロナ時代の新規事業】の過去記事はこちら

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