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2020.07.16

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【安東のオススメ書籍】『ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』

安東 邦彦

「売り上げを上げれば成功する」は正しいのか?

今回は、コロナ危機の今だからこそ読んでおきたい、中小企業経営者にオススメしたい書籍をご紹介します。

『ファイナンス思考 日本企業を蝕む病と、再生の戦略論』(著者・朝倉祐介氏/ダイヤモンド社)です。

この本の読みどころは、何かしらの目新しいノウハウを得られることよりも、「パラダイムシフトを感じられる」ことにあると思っています。

高度経済成長期以来、日本企業はずっと「売り上げを上げれば成功するのだ」という神話に踊らされてきました。

毎年増収し続けていないと不安になる、昨対は常に上回っていたい……。経営者ならそう考えるのは当たり前だと思うかもしれませんが、はたしてそれは正しいのでしょうか?

売り上げはとてもわかりやすい指標です。成長し続けていたいという人間の欲求には「昨対」というぴったりの指標もあります。

本書ではそれを「PL脳」と指摘し、そこにすがり続けることの問題点を明らかにしています。

売り上げにこだわり続けてしまうのは経営者の性とも言えますが、それが引き起こす弊害もあるということを教えてくれる1冊なのです。

組織がめちゃくちゃなのに、事業を成長させ続けようとする経営者

実際に私たちのクライアントでも、売り上げばかりにこだわり続けた結果、組織がぐちゃぐちゃになってしまったという例がありました。

なぜそのようなことが起きるのでしょうか。

もし、現時点での売り上げが10億だとしたら、10億円の価値を提供する「事業」と「組織」を両輪で考えていく必要があります。

しかし、実際には、組織がめちゃくちゃになっているにも関わらず、とにかく事業を成長させ続けようとする経営者が多いのです。

これ以上事業を伸ばしたら組織がめちゃくちゃになると見えているのに、戦略もなく、人が疲弊しているにも関わらず、業績を上げようと邁進する。結果、組織が崩壊してしまう。

私はこれまで、そうした中小企業の事例を数多く見てきました。

売り上げがどんどん伸びていても、BSが脆弱だとしたらどうしようもありません。企業が積み上げてきた本当の現実は、BSに現れるものです。

BSは、組織の一体感であったり、ブランドであったり、営業の仕組みであったりといった要素が絡み合い、積み上がっているからこそ良くなっていきます。目に見えるものだけではなく、目には見えない資産も会社には存在します。

それを意識して会社を経営することで、自社の現実が正しく見えるようになるのです。本書はそうしたマインドセットを得るきっかけを与えてくれます。

長期的な視点でBSを考えれば、目の前の数字に一喜一憂しなくなる

売り上げが大きくなるということは、その分だけ多くの人にサービスを使ってもらっているということ。

それは社会への貢献にもつながっているのですが、企業として長く成長し、長く顧客や社会に価値を届けていこうと思うなら、「成長の螺旋」を描いていくことも必要です。

利益至上主義に陥らず、社会の一員として、社会にどれだけ役に立つ事業を展開できるか。そうしたバランス感覚も大切でしょう。

私自身の過去の反省も含めて、長期的な視点でBSを考えられている経営者は、案外少ないのかもしれません。

「今はBSが減少しても構わないから無形の資産を獲得しにいくのだ」

「今は人材や販路の獲得のためにBSを取り崩しているのだ」

といった考え方ができれば、目の前の数字に一喜一憂しなくなるはずです。

また本書には、資金調達の方法もシンプルに書かれています。借り入れをするか、増収するか、利益を増やすか。そうした本質論は、駆け出しの経営者だけでなく、5年、10年と会社経営を続けている方にとっても大いに参考となるのではないでしょうか。

(安東邦彦)

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