中途採用マネジメントにて他社にはない価値観・文化を語り続ける | 中小企業の経営コンサルティングならブレインマークス
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2019.06.18

コンサルティング

中途採用マネジメントにて他社にはない価値観・文化を語り続ける

安東 邦彦

 

 

最低1年は成果を求めない

これまで3回にわたり、「中途採用者のマネジメント」について考えてきました。

最終回の今回は、もともと新卒メンバーばかりの中小企業であるブレインマークスで
実際にやってきたことを紹介したいと思います。

 

直近で中途入社してくれたメンバーの場合は、
約3カ月をかけて理念やコアバリューを学んでもらいました。

もちろん、掲げている言葉をただ覚えるだけではありません。

ブレインマークスでは、それぞれのチームや個人の役割、仕事の進め方など、
すべてが理念やコアバリューにつながっています。
それは、例えば「電話の出方」といった細かい部分にまで現れています。

こうした考え方は、短時間で学べるものではありません。
3カ月でも足りないくらいです。

その期間は成果など求めません。
もっと言えば、中途採用でも最低1年は成果を求めないようにしています。

その代わりに、この期間でしっかり理念やコアバリューを
自分の中に根付かせてほしいと考えています。
そして、自分自身の「得意分野」や「好きなこと」を見つけてほしい。

結果的には、そうしたほうが、成果を求めて仕事をどんどん教えていくよりも、
人事配置で適材適所を実現できるのです。

 

採用すればするほど、経営が苦しくなる?

最低でも1年は成果を求めず、一人ひとりの教育にここまで時間をかけるため、
ブレインマークスの採用は極めて慎重に、丁寧に進めています。

もちろん経営者としては、「人も売り上げも増えればうれしい」という考えもあります。
しかし私の場合は、
「自分が大切にしてきた会社という作品を壊したくない」という思いのほうが強いのです。

 

人を増やし、会社を拡大させていくためのアクセルも、
いつかは踏まなければいけないでしょう。

でも適切な準備ができていない状態でその方向に走ると、
これまで築きあげてきたブランドが一気に崩れ去ってしまうかもしれません。

言うなれば今のブレインマークスは、
「採用すればするほど経営が苦しくなるビジネスモデル」だと言えるのかもしれませんね。

今のところはそれで構いません。
あえてそうしているからです。

これからも採用活動は行っていきますが、
慎重に、丁寧に、一人ひとりに時間をかけていくスタンスは、変えるつもりはありません。

「社員が社長に気を遣わない」組織で起きていること

理念やコアバリューを大切にし、守っていくために、
中途採用メンバーを叱責したことも当然あります。

例えば「業務品質」に関すること。

規模が小さく知名度も低い私たちが顧客に選んでもらえる理由は、
高い業務品質しかありません。
大企業で働いているときは、規模と知名度に助けられ、
個人が全力で品質に向き合わなくても、何とかなるかもしれない。
でもウチではそうはいきません。

もう一つは、「人との関係性」に関わるもの。

中途採用メンバーには、
どこか「組織は人を支配するもの」と考えているところがあったように思います。
部下は自分の手下であり、雑用を任せる相手であると。

部下とは、会社の未来を担う財産です。
私は「それは違う」とはっきり言いました。

その考え方に基づいて、
ブレインマークスは常にフラットな組織でありたいと思っています。

 

私が社長を務めているのも、その役割を任せてもらっているというだけ。
「安東軍団」のようなものを作りたがっているようでは、目指す組織には近づけません。

会社のメンバーと一緒に飲みに行く機会があっても、
私は「お酌」を頑なに断ります(笑)。
「自分で勝手にやるからいいよ」と。
なぜなら、ここはフラットな組織だからです。

しかし中途入社のメンバーは、
どうしても「役割上の社長」に過ぎない私に気を遣ってしまうようです。
考えてみれば当然ですね。
社員が社長に気を遣わない会社なんて、日本にはほとんどないと思います。

 

理念とコアバリューを尊重し、他社にはない価値観・文化を語り続ける。
これからも私たちは、そこにたっぷりと時間をかけていくでしょう。

(安東邦彦)

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