中小企業の未来を考える経営コンサル
ティング株式会社ブレインマークス

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2019.11.21

コンサルティング

中小企業のエンゲージメント向上(第3回) 〜「会社=自分そのもの」という考えから脱却すべき

かわいがっていたメンバーのうち、ついてきてくれたのは2人だけ

 

中小企業は、エンゲージメント(会社に対する社員の愛着)を向上させるために

何をするべきか。

 

そんなテーマで書いてきましたが、振り返ってみれば私自身、

ブレインマークスの創業当時は社員が離れていくのが怖くて仕方ありませんでした。

 

創業時はまだ30代前半で、気も強いし押しも強い経営者でした。

理念などないまま、業績だけを追い求めて日々を過ごしていました。

 

そんな経営者の下で働くのですから、

腹が立ったり妬んだりしていたメンバーもいたでしょう。

そんな状況のもと、「アンチ安東」はどんどんと生まれていきました。

 

そもそも前職を辞めて独立するときには、

私がずっとかわいがっていたメンバー5人を誘いました。

そのうち「いいよ」と言ってついてきてくれたのは2人だけ。

 

「絶対に一緒に来てくれるだろう」と思いこんでいた私は、

底しれぬ寂しさを感じました。

 

今にして思えば、「俺が起業するから付いてこい」なんて、

とてもわがままな話ですよね。

 

このとき、ゴリゴリ仕事をして、業績を上げることだけに邁進していても、

人はついてこないのだと悟りました。

 

今回は、パワーマネジメント時代の失敗を振り返りながら、

中小起業のエンゲージメント向上に何が必要なのかを考えてみます。

 

 

「支配しやすい対象」に気をつけるべき

 

当時の私は、他のメンバーの話にほとんど耳を傾けていませんでした。

彼らではなく、業績ばかりを見ていたのかもしれません。

 

みんなにどんな強みがあり、どんな生活があるのか。

それを考えずに、自分の都合で仕事を押し付けていただけだったのです。

 

中小企業は、ものすごく社員のロイヤリティが低い状態で事業を起こします。

会社の規模が小さければ小さいほど、人の掌握は難しいものです。

 

規模が大きくなれば会社に力がついてくるので、人を確保しやすいし辞めにくくもなる。

その最たるものが大企業でしょう。

 

個人のやりたいことは、人によって濃淡があります。

明確な人は手を差し伸べやすいのですが、

逆に明確ではない人は、経営者として「支配しやすい対象」とも言えます。

 

「やりたいことがないなら、これをやっておいてくれ」と、

自分の都合で仕事を押し付けやすくなってしまうのです。

 

だからこそ、私たちは気をつけておかなければならないのです。

 

会社は1日のうち8時間を過ごす場所です。

そこの居心地が悪くて、エンゲージメントなど高まるはずがありません。

 

一人ひとりにとって、会社が「自分らしくいられる場所」に

していかなければならないのです。

 

 

会社は「自分の作品」だと思っている

 

かつての私のように、社員が離れていくのが怖くて仕方がないという経営者も

多いのではないでしょうか。

 

では、どうすれば会社が社員にとって「居心地のいい場所」になると思いますか?

 

私は、実際に社員が思っていることに耳を傾けていくしかないと思います。

実現できることは叶えてあげればいいし、

実現できないことはその理由を説明してあげるべきです。

 

そんな会話ができるようなオープンな空気を、

経営者が率先してつくっていくしかありません。

 

より規模が大きくなっていけば、

同じようにメンバーと接することができるマネジャーやリーダーを置いていく。

そうやってエンゲージメントは向上していきます。

 

とはいえ、経営者は目の前の戦力ダウンを恐れてしまうもの。

一方で、人の価値観を理解するには何年もかかるし、

その人の特性を生かしてあげられるようになるには何年もかかるでしょう。

 

どうしても目の前のことばかり見てしまうようなら、

少し考え方を変えてみることも必要です。

 

例えば私の場合は、会社を「自分の作品」だと考えています。

 

「会社=自分そのもの」だととらえていると、

人が去っていくことに悲しみを抱かざるを得ません。

 

しかし、私にとって会社は作品なので、

「作品に合う人を見つけるのだ」という感覚で採用し、社員と接しています。

 

自分の会社に対して強い思い入れをもつ。

それは経営者として当たり前のことですが、

少し考え方を変えてみれば、エンゲージメント向上も難しくはないと思うのです。

(安東邦彦)