中小企業の未来を考える経営コンサル
ティング株式会社ブレインマークス

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2019.08.08

コンサルティング

経営者が向き合うべき「多様性」とは(第2回) 〜年齢や価値観の差を乗り越える、たったひとつの方法

 

中小企業が直面しがちな「年齢」と「価値観」の壁

前回は、社員の悪口ばかりを言う経営者の話から、
社員の多様性を受け入れることの難しさを書きました。

ただ、そもそも「多様性」という言葉自体が実にあいまいで、捉えどころがありません。

外国人労働者受け入れの文脈で使われたり、
テレワークなど働き方の多様性という文脈で使われたり、
年齢や性別や価値観といった意味でもち出されたり。

ものすごくたくさんの切り口を含んでいるわけです。
だからこそ、軸が定まりづらいのかもしれません。

 

では、中小企業における多様性とは何でしょうか?
上に挙げたものの中では「年齢」「価値観」がスタンダードかもしれませんね。

働き方については、制度設計と仕組み次第で乗り越えられる可能性があります。
自社の業種・業態でも成り立つかを考え、できるならすぐにやればいい。
経営者ならすぐに取り組めることです。

一方で、壁になりやすいのは「年齢」と「価値観」。
これらが絡み合って問題を複雑にしているケースも多々あります。

そこで今回は、この「年齢」と「価値観」の違いをどのように埋めていくかについて、
考えていきたいと思います。

 

「なぜ俺の言うことをわかってくれないんだろう」

例えば中高年世代からは、
「最近の若い人はあまり仕事が好きじゃないのだ」という声を聞くことがあります。
「随分前からワークライフバランスだなんて言われるけど、我々世代では考えられなかった」といったことも。
年齢差が大きな隔たりとなっている、という主張です。

でも、本当にそうでしょうか?

周りを見渡してみてください。
きっと、「仕事が好きじゃないおじさん」もたくさんいるはずです。
何なら、おじさんたちが社会に踏み出したバブル期という時代には、
特に何もしなくてもお金を稼げるような側面もありました。

むしろこれは、年齢だけではなく、価値観の違いなのでしょう。
40代後半を迎えた私も、上の世代の方々と話せば
「随分考え方が違うな」と思うことが多いです。

上の世代はなぜ、若い人たちとの隔たりを感じてしまうのでしょうか。
簡単に言ってしまえば、それは「なぜ俺の言うことを分かってくれないんだろう」という、
諦めに似た気持ちから来るものではないでしょうか。

 

実は、私自身もそんな気持ちを抱くこともあります。
ブレインマークスのメンバーは、私とは一回りも二回りも年齢差があります。
年齢と価値観が絡まり合った隔たりを感じないわけがありません。

だからこそ、それなりに悩みもしました。
そして、多様性を認めるたったひとつの方法にたどり着きました。

それは、
「相手の得意なことや強みを見つけることに徹し、それを仕事として提供する」
というものです。

 

 

「強みと得意分野を見つけて仕事にしてもらう」ことだけに集中する

この方法は、実にうまくできています。
なぜなら、誰も傷つかないからです。

会社としては、社員に得意なことを生かして成果を出してもらえます。
社員は得意なことを仕事にできるから、毎日楽しく働けます。

「多様性を認める」ことをマネジメントに置き換えるには、
「強みと得意分野を見つけて仕事にしてもらう」こと。
ここだけに集中すれば、複雑に絡み合った問題も至ってシンプルになるのです。

 

「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、
その人を徹底的に観察して、得意なものを仕事として任せていければ、
社員の生産性は飛躍的に高まります。
そうして「〇〇さんはこれが得意だね」という社内の共通認識が生まれると、
その人は社内に強固な居場所をもてるようになります。

ただし、その社員が苦手としていることの中に、
もし周りに迷惑をかけてしまう要素が含まれていれば、
その部分だけは教育してあげる必要があります。
最低限の自己管理、タスク管理などがそれに当てはまります。
チームの分業が成り立つレベルまでは、引き上げなければいけません。

しかし、最低限の分業が成り立つのなら、苦手なものは苦手でいいのです。
その代わり、得意なことは徹底的に伸ばしてもらう。

 

営業で例えるならば、
「お客さま先へ行って話すのは大好きだけど、細かな事務処理は嫌い」という人を
よく見かけます。
そんな人には、迷惑をかけない範囲の最低限の事務仕事だけをやってもらい、
あとはバックオフィスで役割分担を適切に組んであげるべきです。
その営業マンはハッピーになり、会社も売上が伸びてハッピーになれるでしょう。

人は面白いもので、得意なことを伸ばしていけば他のことも伸びてくるものです。

次回は、ブレインマークスの社内で悩みながら実践してきた例もご紹介したいと思います。

 

(安東邦彦)