中小企業の未来を考える経営コンサル
ティング株式会社ブレインマークス

BLOGブログ

2018.09.01

コンサルティング

顧客にとっての「最高のブランド」を作る

ブレインマークスでは、多くの中小企業が苦戦し、課題視している「ブランド構築」の支援にも力を入れています。

「お客さまに、自社を最高のブランドだと認識してもらいたい」
「だけど、そのために何をすべきかが分からない」

そんな思いで日々を過ごしている経営者の方も多いのではないでしょうか?

顧客にとっての最高のブランドを作るためには、何が必要なのか。

圧倒的なブランディングに成功したグローバル企業の実例を交えながら考えてみたいと思います。

 

■「今、いちばん欲しいもの」を答えられますか?

そもそも、企業のブランドはどのようにして形作られていくものなのでしょうか。

マーケティングの現場では、

「ブランドとは、まず外に出てお客さまが今一番欲しい物は何かを尋ね、それに対する商品やサービスを提供し、『彼らのニーズを満たす』ことによって構築されるもの」

といった意味合いで定義されることがよくあります。

しかし私は、この考え方には大きな問題があると感じています。
なぜならほとんどの人は、自分自身が欲しているものや、必要としているものが何かに気づいていない場合が多くあるからです。

あなたは、家族や友人、恋人に「今、いちばん欲しいものはなに?」と尋ねられて、すぐに答えることができますか?

案外、答えに詰まってしまうのではないでしょうか。

これは同時に「質問する側の苦労」も意味しています。何が欲しいのかを聞いても相手がなかなか答えてくれなければ、「どんなニーズを満たせばいいのか」が分かりません。

仮に「今、欲しいもの」を即座に答えてもらったとしても、それは本来のニーズとはまったく違うという可能性もあります。

 

■潜在的な不満が渦巻く業界に、適正価格で質の高いサービスを打ち出す

世界中の誰もが知るようなブランドを築いている会社であっても、欲しいものを直接聞きにいってサービスや商品を開発してきた企業は多くありません。

お客さま自身もまだ気がついていないような「欲求や不満足」を、どのライバル会社よりもいち早く見つけ出すことで成功を収めているのです。

そうして見つけ出した欲求や不満足への斬新な解決策を、サービスや商品として提供していくことによって、会社独自のユニークなブランドと熱狂的なファンを作り出しています。

2つの事例をご紹介したいと思います。

 

 

1社目は、ヴァージン・グループ。

エンターテインメント産業を中心に、航空や鉄道などさまざまな分野に進出を果たしているグローバル企業です。

同グループは、顧客が「必要以上にお金を取られている」と感じている業界や「価格に見合ったサービスを受けれていない」と感じている業界に狙いを定めています。

顧客の潜在的な不満が渦巻いているであろう業界に、適正な価格で質の高いサービスを打ち出すことで事業を拡大していきました。

この「顧客のために尽くす精神」は、ヴァージンブランドとして他社の追随を許さないほどに浸透しています。

一方で創業者のリチャード・ブランソン氏は、何をおいても顧客第一というわけではなく、従業員を最優先に考える経営者としても知られています。

「従業員の福利厚生は徹底されているのだろうか」

それを点検するためにヴァージン航空の客室を歩き回り、現場の従業員と会話して直接フィードバックを求めることも続けていると言われます。

ブランソン氏の方程式では、「従業員満足=お客さま満足」ということになるのでしょう。

従業員が会社や仕事に不満を持ち、お客さまに質の悪いサービスを提供するようになってしまうと、せっかく築き上げた自社のブランドを失墜させてしまいかねません。

 

■熱狂的で感情的なファンを生み出す

2つ目の事例は、今や誰もが知る企業となったアップル。

アップルは創業時に掲げた「テクノロジーを介して何百万もの人の生活を変える」という理念を追求し続けています。

かつて、私たちの身の回りにiPhoneはありませんでした。

それが今では、iPhoneのおかげで道に迷うことなく目的地にたどり着き、指紋認証でプライバシーを守り、音声認識機能によって手を動かさなくても誰かに電話をかけられるようになりました。

アップルは、「MacやiPhoneを開発したから高いブランド力を持っている」わけではありません。

「テクノロジーを介して何百万もの人の生活を変える」ことを追求し、それを実現してきたからこそ、世界中で確固たる地位を築くことができたのです。

モデルによって波はあるものの、iPhoneの新作が発売されるたびに熱狂的なファンが長蛇の列を作るという光景も見られるようになりました。

ヴァージン・グループとアップルはともに、他社にはない独自のこだわりや立ち位置を貫き、商品やサービスを再創造して、市場を定義し直すことに成功したと言えるでしょう。

その企業活動が、熱狂的で感情的なつながりを持つファンを生み出していったのです。

 

■企業にとってブランド構築が欠かせない理由

顧客の消費行動を考えることも、ブランド構築をする上ではとても重要です。

人が商品やサービスを購入する際には、

・まず個人的な価値観や信念、感情で判断し、
・次に「論理=購入の理由付け」が来る

と言われています。

一例として、洋服を購入するシーンを思い浮かべてみてください。

「自分の好きな色や柄か」「自分に似合うか」「着ていく場所にふさわしい服か」など、さまざまなことを考えるでしょう。ときには「なんだかビビッときて」購入してしまうこともあるかもしれません。

つまり、自分の価値観や信念、感情を第一優先にして買う服を決めているのです。

もちろん迷ったときには店員や同伴者にアドバイスを仰ぎ、後押ししてもらうこともあるでしょう。「論理=購入の理由付け」を求めるのは、たいていの場合最後です。

また、以下のようなことが顧客の購買行動を促進させると言われています。

・ブランドの考え方に共感している
・梱包されている箱が好き
・お店の雰囲気や香りが好き
・購入した自分をハッピーな気分にさせてくれる
・店員の○○さんが好き

などなど。

商品だけではなく、企業が持つ理念やこだわり、思いによって、顧客はその企業のブランドとの感情的なつながりや愛着心を高めていくということでしょう。

リピーターはもとより、熱狂的なファンを増やしていくためには、ブランド構築が欠かせない要素なのです。

会社経営には、一瞬たりとも気を抜けません。
顧客は「あなたの会社のすべて」を見ています。

(今泉勇太)